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2009年7月

2009年7月31日 (金)

日立、グループ会社完全子会社化のTOBについて公表

日立、上場しているグループ会社5社にTOBで完全子会社化 親子上場解消へ(2009.07.27)の続報です。

27日時点では、まだ決定したものではないと日立は述べていましたが、翌日の28日に正式に公表をしました。

日立のリリース

今回の日立の動きは、親子上場の問題を自ら解消しようというコーポレートガバナンスの点から重大な意義を有する行為のように考えられますが、リリースではそのように述べておらず、事業強化策であるという言い方をしています。

ちなみにこれは海外でもそれなりに報道されたのですが、どれも親子上場の観点から取り上げていました。この違いが興味深いところです。

なお日立の親子上場に該当する上場関連会社はまだまだたくさんあります。16社あるとされているので、まだ11社残ることになります。これらについても憶測から買いが集まっているのですが、日立が親子上場を完全に解消する意図があるのかは、上記リリースの説明のしかたから行くと、まだ分からない感じがします。

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荒木労働法発売延期

荒木先生の労働法は8月12日発売になりました。有斐閣のウェブサイトが更新されていました。

15%引きで買えなくなってしまい残念です。もう少しだけ早ければ。

ところで長期予報では今年の夏ってどういう予想でしたっけ。

今のところ今年の夏は比較的冷夏なのではないかと思います。夜まで冷房をかけないと眠れないような暑い日があまりないもので。

それなりに昼間は暑苦しいですが、夜は結構冷え込む日が多いような気がします。おかげでかえって疲れます。

冷夏だと全般的に消費が冷え込むので不況の中さらに弱り目という感じです。

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2009年7月30日 (木)

ビックカメラの有価証券報告書虚偽記載で認めた法人としてのビックカメラに課徴金納付命令

ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す(2009.07.16)の続報です。

答弁書で認めた法人としてのビックカメラには審判が開かれずに、勧告通り課徴金納付命令が決定されました。課徴金の額は約2億5千万円です。

株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について(金融庁)

これに対して元会長は争う姿勢を示しているので審判が開かれることになります。こちらの決着はしばらく先になりそうです。

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ミス東大の女子アナ

今朝、NHKのニュースを見ていたら、小正さんが現地からのリポートで出ていました。NHK新潟の配属になったことはうわさで聞いていましたが、実際に出ているのを見たのは初めてです。

水の中に入ってのレポートは大変そうでした。中々頑張っていますね。

ひとまず全国ニュースに出たので全国区デビューなのでしょうが、いつまで地方勤務が続くのでしょうか。東京で仕事をする日も来るのか、それとも前々からバラエティー番組で公言しているように政治家になるのでしょうかね。

東大弁論部で1年上に当たる私の弟は、常識的でまともな人だと思うと評しているので、多分そうなのでしょう。腰掛みたいなことはせずにしっかりと頑張るのでしょうね。

小正さんが3位に入った東大総長杯の記念DVDを作ったのが私で手元に、弁論をする小正さんの動画が残っています。youtubeとかに弁論部チャンネルとかを作っていずれ公開できればと思っていのですが、こんな有名人になってしまってはもう完全にお蔵入りです。

そもそも著作権や肖像権の問題があるのですから、法律家の端くれとしてyoutubeに載せたいなとかお気楽に考える時点で問題がありますね。

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2009年7月29日 (水)

東京高裁、業務請負で就労して過労自殺した件で使用者と業務委託元のニコンに対する損害賠償を増額

労働契約に付随する義務として使用者は安全配慮義務を負いますが、この義務の不履行には労働者がうつ病になってしまった場合も含まることがあります。

さて、今日では非正規雇用で労働契約上の使用者の事業所とは異なる所で就業する労働形態が増えています。すると本来なら使用者の安全配慮義務違反で生じるようなことが、使用者ではなく派遣先などの就業場所で生じてしまうことが増えています。

そのような事例で使用者と派遣先を提訴している事例で控訴審判決が出ました。

ニコンなどの賠償増額、7000万円支払い命令 過労自殺訴訟(日本経済新聞2009年7月29日)

ニコンの工場に派遣された業務請負会社「アテスト」(名古屋市)の元社員、上段勇士さん(当時23)が自殺したのは過重労働によるうつ病が原因として、母親の上段のり子さん(60)が両社に計1億4000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。都築弘裁判長は、両社に計約2488万円の支払いを命じた1審判決を変更。賠償額を約4569万円増額し、計約7058万円の支払いを命じた。

判決は、上段さんの自殺前の勤務状況について(1)時間外や休日労働をしていた(2)担当外の重い業務との兼務で心理的負荷を蓄積させていた――などと指摘。「自殺の原因は業務に起因するうつ病と推認できる」と判断した。

「製造業への派遣を禁止していた当時の労働者派遣法に反していた」と言及。ニコンの従業員には指揮・監督権限があったのに、過重労働で心身の健康を損なうことがないよう注意する義務に違反したと結論付けた。(07:00)

基本の確認ですが、直接の労働契約関係のない派遣先などに安全配慮義務違反の責任を問うなら直接の契約はないことから、不法行為構成にすることが考えられますが、判例は、安全配慮義務を雇用契約の当事者だけではなく「これに準じる法律関係」がある場合にも肯定しており、債務不履行構成をとっています。

債務不履行構成でも不法行為構成でも時効などを除くとそれほどの違いはないのですが、とにかく確認が必要です。この辺の拡大している契約責任は自衛隊の事件以来、一貫した態度であるように考えられます。

本件のニコンは労務の提供場所に過ぎないののでまさにこの問題であり、上記報道からはニコン注意義務を確定しており、それに反した事実と生じた結果との間の相当因果関係もきちんと認定していることが伺われます。

なお、労働契約と安全配慮菊義務違反の当事者がずれる場合については、建築請負の場合だけは元請が労災保険法上の使用者になることが定められていますが、その他については全く規定がないので上記のような債務不履行などの民法に立ち返っての構成になります。

労働者派遣がこれだけ広がってきており、建築請負ばかりでなくなってきている以上、労災保険法による法定内補償を広げることを考えてもいいかもしれません。

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ここにきて…

有斐閣のサイトを見て、荒木労働法の発売がまたもや延期されたことを知りました。

東大生協の有斐閣フェア(7月末まで)で買おうと思ったのに、8月上旬になってしまいました。

10%引きが15%引きになるという、たかだか5%の違いですが、無念です。

でも法律の本は単価が高いですから5%の違いでも結構大きいのです。ああもったいない。

法学教室の連載をベースにするつもりだったがほぼ全部書き直したと仰っていたので、散々延期されてしまいましたが、この期に及んでも延期するとは驚きました。てっきり印刷しているものと思っていましたよ。

そういえば、労働判例百選も随分と古くなりました。そろそろ改訂した方がいいと思いますが、お忙しくて中々できないのでしょう。勉強される方は百選以降の毎年の重判を個人的に付け加えることをお勧めします。労働事件では下級審判決もそれなりに重いので、やや多すぎますが毎年の重判を全部見ておくといいでしょう。

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2009年7月28日 (火)

セブンイレブン、弁当値引きに関する排除措置命令を受け入れへ

セブンイレブンの弁当値引き禁止に対して排除措置命令が出た件の続きです。

セブンイレブンは、排除措置命令の受け入れの方向になったということが本日、報道されました。

セブンイレブン、来週にも排除命令受け入れ 弁当値下げ販売で(日本経済新聞2009年7月28日)

セブン―イレブン・ジャパンは28日、消費期限が近づいた弁当類の値下げ販売を巡る問題で、公正取引委員会から出されていた排除措置命令を来週にも受け入れる方針を固めた。同社は加盟店に示す新しいガイドライン作りで公取委と調整を進めてきたが、値下げの手法や損失の負担などの点で合意する見通しとなった。加盟店への詳細な内容説明も来週に始める予定だ。

(略)

セブンイレブンは争わないということはすでにとある筋から聞いていましたが、ようやく報道でも流れました。

これは、決して、利益水準の低下という身を切る決断をしたわけではないようです。この機会を積極的に利用しようとするセブンイレブンは大したものです。

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この落ち込みは

会社の第一四半期の決算短信を見たのですが、経験したことのない大きな落ち込みをしており、大変なことがいやがうえにも分かりました。

これくらいで揺らぐ会社ではないですし、実入りが少なくなったらそれに応じてやっていくだけですので特段の問題はならないでしょうが、やや遅れて日本経済を端的に反映する傾向のある会社なので、日本経済が大変なことになっていることを痛感しました。こんなときに営業にいたら大変なことになっていましたな。

こんなときに最低賃金の引き上げをしたらどうなるか。端的に雇用を減らしてしまうだけだと思われますが、やろうとしている人たちがいることには驚きを禁じえません。高齢者にうけるために金利を上げることを発言していた人たちですので、経済に対して本質的に全く理解をしていないのでしょう。

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東京地裁、教研集会の会場使用拒否事件でプリンスホテルに賠償と謝罪広告を命令

土壇場になってプリンスホテルが日教組の教研集会の会場使用の契約を一方的に破棄して、集会の一部が開けなかったという問題で日教組の請求を認容した判決が28日に東京地裁でありました。

集会の自由という憲法上の問題の問題になりそうですが、その前に、事前に会場使用を命じる仮処分が出ていたのにプリンスホテルはこれを無視しており、司法を無視するような態度には裁判所は厳しく応じますのである意味当然の結論です。

謝罪広告の掲載まで認めています。謝罪広告まで認めるのは珍しいのではないかと思われます。

プリンスホテルに賠償命令 日教組会場の使用拒否訴訟(日本経済新聞2009年7月28日)

会場の使用契約を一方的に解除され、教育研究全国集会(教研集会)の全体集会を開催できなかったとして、日本教職員組合(日教組)らがプリンスホテル(東京)などに対し、約2億9000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、ホテル側に請求全額の支払いと全国紙への謝罪広告の掲載を命じた。ホテル側は控訴する方針。

判決理由で、河野清孝裁判長は「ホテル側が正当な法的根拠もなく、会場の使用を拒否したことは、債務不履行に当たる」と指摘。日教組に会場を使わせるよう命じた裁判所の仮処分決定に従わなかったホテル側の姿勢を「民事保全法の予定していない行為。司法制度を無視するもので容認できない」と批判した。

(略)

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2009年7月27日 (月)

TBS、価格決定の申立てで係争中の株式買取請求に関して、楽天に対して買取代金の一部を仮払い

楽天申立てのTBS株式の反対株主の株式買取請求で、楽天は3000円超を主張(2009.07.13)の続報です。

利払い負担を抑えるために仮払いを検討していることは上記の従前のエントリーでお伝えしましたが、TBSは31日に400億円を仮払いすることを発表しました。

TBS、楽天に400億円仮払い 株買い取り、金利負担を抑制(日本経済新聞2009年7月27日)

東京放送(TBS)ホールディングスは27日、楽天が保有するTBS株の買い取り価格決定手続きを東京地裁で進めているのに関し、楽天に400億円を仮払いすると発表した。支払い予定日は7月31日。両社が主張する価格の乖離(かいり)が大きく、決着には時間がかかりそう。そこで楽天に前払いし、楽天に支払う金利負担を抑える。

会社法は、株主から買い取り請求を受けた会社は買い取り代金に加え、年6%の利息を株主に支払うと定めている。最高裁まで持ち込まれた場合、決着までに数年かかるとの見方もあり、金利負担がTBSに重しになる可能性があった。TBSは銀行からの借入金を支払いに充てる。

(略)

これはTBSの主張価格を前提にしても一部だけなので、少なめできりのいい数字にしたということになりましょう。

TBSのリリース

楽天のリリース

ちなみに利息は、会社法に規定を設けて商事法定利率と同じ6%としています。

第786条(株式の価格の決定等)

4 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の年六分の利率により算定した利息をも支払わなければならない。

これはかなり高利なので少しでもおさえるために早めに払っておくのは、意味のあることです。低金利が随分と長期間続いていますが、民事法定利率商事法定利率はそのままですので、還付金の利息などが随分な重荷に感じられるようになっています。この傾向は今後も続くでしょう。

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公取委、クアルコムに排除措置命令

第3世代携帯電話用の特許を多く保有しているアメリカのクアルコムが、特許の使用契約を日本の端末メーカーと締結した内容が公取委の問題視するところとなり不公正な取引方法として、排除措置命令が出される方向になりました。

公取委、クアルコムに排除命令へ 契約で不当条件(日本経済新聞2009年7月27日)

第3世代携帯電話用の通信技術で知られる米国の携帯電話用半導体大手、クアルコムが特許を持つ通信技術の使用契約を日本の携帯電話メーカーと結ぶ際、事業活動を不当に拘束する条件を付けていたなどとして、公正取引委員会は27日、クアルコムに独占禁止法違反(不公正な取引方法)を認定して排除措置命令を出す方針を固め、事前通知した。

(略)

問題となったのは、契約に、クアルコムの特許を使用するのには使用料がかかるのに、クアルコムが日本メーカーの特許を使用するときは無償であり、かつ非係争条項がつけられているという点です。

非係争条項をめぐってはマイクロソフトがPCメーカーに対してwindowsのOEM版を出荷する際の契約にもかつて盛り込まれており、公取委はこれを独禁法違反としたことがあります。

公取委、マイクロソフトの契約条項中の非係争条項について独禁法違反とする審判審決(2008.09.19)

今回のクアルコムの件も同じ考え方に立っているといえるでしょう。

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ハイボールって

最近、ハイボールが流行っているらしく、サントリーが足したり引いたりして作ったウイスキーの出荷が増えているらしいです。

ハイボールというと現場で働いていた頃、中年の先輩社員に誘われて徹夜明けで立ち飲みの店にいったのですが、そこで誘ってくれた方が飲んでいました。何をわっていたのかはよく覚えていませんが。そういう結構ミドルエイジの飲むものだと思っていたのですが、若い人にも広がっているとは驚きです。

そこで、ハイボールってどんなものだろうと思って、ニッカの12年物のお値ごろのブレンデッドを買ってきて炭酸でわって飲んでみました。

酸味のせいか、何だかウイスキーの味がよく分からなくなりました。私には水割りの方がいいかもと思いました。

私はあんまり家では飲まないので、それで終わりなのですが、残ったウイスキーは父が勝手に飲んでいます。

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日立、上場しているグループ会社5社にTOBで完全子会社化 親子上場解消へ

親子上場については度々取り上げていますが、日立製作所が上場しているグループ会社5社に対して、公開買付で完全子会社化をして、親子上場状態を一部解消することが報道されました。

マクセルなど上場5社、日立が完全子会社化 8月からTOB(2009年7月27日)

日立製作所は日立マクセルなど東証に上場しているグループ5社を完全子会社にする。8月下旬に株式公開買い付け(TOB)を開始し、最大3000億円を投じ、それぞれ約5~7割の出資比率を全額出資へ引き上げる。日立は2009年3月期に国内製造業では最大となる7873億円の連結最終赤字に陥った。グループ戦略を転換し、上場子会社16社のうち社会インフラなど成長が見込める分野の5社を一斉に取り込み、経営再建を急ぐ。

完全子会社にするのは日立マクセルのほか、日立プラントテクノロジー、日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング、日立システムアンドサービスの計5社。週内に発表する。(10:01)

例によって、日立は「当社としては決定・公表したものではない」と述べています。

報道では経営基盤強化のように報道されていますが、批判が強い親子会社上場を解消する姿勢を市場にアピールするという意図があるのは明らかだと思われます。

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2009年7月26日 (日)

ぐったり

今日はすごく暑かったです。

起きてすぐに東大に出かけましたが、もう本郷三丁目駅から東大まで歩いている間に汗だくになり、帰り道ではもっと暑くて目が回り、帰りの電車では暑くて眠れず、ようやく帰宅したら部屋は35℃になっており、室内の植物があまりの暑さにへたばっていました。

大量に水をやったらピンとし始めて、ようやく元気になりましたが、私自身はひたすら汗をかいていた一日でした。

ようやく時間的に余裕ができたので、色々としたいところですが、こう暑いとなかなか活動的にはなれませんです。

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2009年7月25日 (土)

ライブドア、有価証券報告書虚偽記載に基づく損害賠償請求訴訟で原告の多数と裁判外の和解

ライブドアの有価証券報告書虚偽記載によって損害を被ったとして株主が法人としてのライブドアと旧経営陣を提訴した訴訟が多数ありますが、このたび控訴審に係属中の訴訟でライブドアが個人法人合わせて410名の原告のうち381名との間で裁判外の和解をしたことが明らかになりました。

ライブドアのリリース

和解の内容は、第一審判決で認定された1株あたり200円の損害をそのままに支払うというもので、和解しなかった原告とは継続して争うとしています。

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女性の進出

北岡先生が日経夕刊の明日への話題で、最近の東大法学部の教室は25%くらいが女性だということを書かれていました。

これは増えたということを述べられているわけです。

法学部進学者の25%とはいっていないので、教室に出てきている数なのかなと思うのですが、2000年法学部進学の私の学年は、駒場のクラス時点で女性は2割弱くらいだったと思います。フランス語クラスで女性が多めでその程度なので、全体ではもっと少なかったはずです。

文系学部では女性の進出が目覚しいらしいのですが、東大法学部ではまだまだ低いのです。それでも、授業に出ているだけで25%くらいとは大した増加です。

もっとも最近はロースクールのこともあり授業にはまじめに出るようになっているらしいので、進学者の割合そのままが教室で再現されているのかもしれません。

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アールテック・ウエノ、取締役会の機能強化を図るとして執行役員制度を廃止

大証ヘラクレス上場の眼科向け医薬品製造開発のアールテック・ウエノが、執行役員制度を廃止することを表明しました。

執行役員制度の廃止および組織変更に関するお知らせ

理由としては、取締役の責任強化と取締役会の運営強化をあげています。

執行役員は、会社法に制定されている役員等ではなく、従業員の最上位に対して付している名称であることが多いです。取締役の人数を減らして取締役会の機能強化を図るとして一部取締役を執行役員に切り替えるという形で導入が進んできたものですが、これを見るとまるで逆です。

しかし、リリースには、経営の引き締めのために人員の効率化という下りがあり、執行役員の業務内容を取締役が行うようになり、取締役の直轄下になるようなイメージなのかもしれません。

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2009年7月24日 (金)

横浜地裁、塾校長を管理監督者ではないと判断

管理監督者該当性に関する裁判例に新たなものが加わりました。

塾校長の残業代認める 横浜地裁、運営側に支払い命令(日本経済新聞2009年7月24日)

横浜市や川崎市で学習塾「学樹舎」を運営する学樹社(横浜市)が、各校舎の校長などを管理職とし、時間外手当を支払わないのは不当として、元校長ら2人が同社に未払い分の支払いなどを求めた訴訟の判決で、横浜地裁は23日、同社に計約1千万円の支払いを命じた。

深見敏正裁判長は判決理由で、同社が正社員48人中、38人を管理職として扱っていたことを挙げ「いずれも管理監督者とする主張は到底採用できず、労働基準法に違反することは明らか」と述べた。(07:00)

上記報道だと、労働者の大半が管理監督者であるのは不自然ということを指摘したことが分かり、その指摘はその通りだと思います。

管理監督者該当性の判断要素は、

  • 経営と一体であるか
  • 主体的に自分の労働を決められるか
  • 待遇が相応しいか

などがいわれています。

大半の労働者が管理監督者であるというのは、上記の要素からはややずれますが、上記要素を推認させる間接事実と見ることもできます。

どのような形で言及されているのかはよく分かりませんが、大半の労働者が管理監督者というのは不自然だという一点だけで管理監督者該当性を否定したわけではないのだと思われます。

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民主党が制定を目指す公開会社法の内容が明らかになる

昔から民主党が主張していた公開会社法の内容が報道されました。

概観すると内容の一部に理解しがたいものが含まれているように思われます。

社外取締役を義務化 民主公約 上場企業対象 従業員の監査役も(東京新聞2009年7月23日)

民主党が衆院選のマニフェストで掲げる「公開会社法(仮称)」の詳細が明らかになった。上場企業に対し、社外取締役の導入を義務付けて経営の監視を強化する。監査役会には従業員代表の選任を求め、雇用者の側からも経営陣の暴走を防ぐ。

株式を公開する企業の不祥事が相次げば、株式市場からの投資家離れを加速させる恐れがある。このため民主党は政権を獲得した場合、非上場企業よりも厳格な経営監視を上場企業に求める方針だ。

経営体制の強化には、社外取締役の導入義務化を柱とする。米英では既に義務化されているが、東京証券取引所に上場する55%の会社は社外取締役を一人も置いていない。東証の売買シェアの半分以上を占める海外投資家からの要望が強い。

民主党は取締役会のうち三分の一程度を社外役員とし、外部からの経営チェック機能を高めたい考えだ。

社外取締役の条件も厳しくする。親会社や重要な取引を行う企業から派遣された者は社外取締役になれないようにすることで、なれ合いを防ぐ。

一方、監査役会に従業員代表の選任を義務付け、監査役制度を強化する。雇用者側の視点を経営に反映させ、不当な従業員解雇や事業売却を経営陣が行えないようにする。

(略)

まず、ネーミングは、語感の問題なのかもしれませんが、上記報道からは上場会社を念頭にしているみたいなので、公開会社法という名前はどうなのでしょうか。

社外取締役の義務付けに関しては、アメリカの会社法に比べると人数が少なめで設置を義務付けるとしている点で現在の監査役設置会社にも受け入れられるように現実的になっているとはいえると思います。もっとも現行法で親会社から来たら社外取締役扱いになっているところは改めることが明らかになっています。もっともこれで困るのは委員会設置会社にしている子会社ですので上場していることはまずないので、現実にはそれほど問題にならないでしょうが。

さて最大の問題は、監査役に従業員代表をいれるというドイツ会社法のような点です。

しかも、その目的が、雇用者の視点を経営に反映させるためとしており、適法性監査に限られている監査役の機能を明らかに逸脱します。上場会社に関しては監査役はドイツ法のようにするということでしょうか。これは非常にハレーションが大きく、本当にやると大変なことになりそうです。

一方、適法性監査のままで、従業員代表を入れるなら、現行とあまり変わらないので、特段の成果はないでしょう。連合が、組合に事業再編に関する拒否権を与えるように元来から主張しているのでこれに応えるものにしようというのかもしれません。会社法の内容をかなり改正するものであり整合性の観点から、法制審議会を通すくらいの非常に慎重な検討を要するのではないかと思われますが、特別法だとすることに意図があるのかもしれません。

さて、肝心の労働者代表が監査役会に参加して経営に参加しているドイツ会社法ですが、実証研究によると、経営側に押し切られているということが明らかになっています。参加しているだけで満足してしまうのか、結果的には経営側の思い通りになっているとされています。また、監査役会を通すために要するコストが非常に大きいために、ドイツの会社はかなり競争力をそがれているともいわれています。

今回の公開会社法が、ドイツ会社法がすばらしいと思った結果なのかまでは分かりませんが、よくよく検討した方がいい点は多いかもしれません。

労働者の関与する機会を設けるなら、むしろ監査役に入るという不可解なことをするよりは、正社員だけではなく労働者が多様化してしまっている現実を直視して、従業員代表制度を労働法の方で正面から規定するようにしたほうが現実的だし、本当に働くもののためになると思われます。現在の連合は正社員の組合であり、正社員の労働条件の切り下げにつながる非正規社員の組織化は、建前はともかく本音では乗り気ではないですし、非正規社員の労働条件の改善には及び腰であろうと思われます。

監査役にいれるとなると、数は多くはないですから、正社員かつ多数労働組合から1人だけ選出ということになると思われます。多様化してしまった労働者の多様な利害を反映してすべての労働者のためを考えるなら、やはり労基法の改正に正面から取り組むべきではないでしょうか。

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田舎に「友愛」があるばかりに

昨日、鳩山代表がうちの選挙区に来たのは、隣の鳩山町に鳩山一郎の「友愛」の書が飾られているために遊説をそこから始めるというショーのための来訪だったことを報道で知りました。

代表が第一にてこ入れしないといけない選挙区とはとても思えなかったので、ようやく納得がいきました。

とりあえずうちの選挙区では、最近開発が行われた比較的若い家族が住んでいる新興住宅地で平日の昼間に演説していきました。皆仕事に行っているでしょうからあまり意味がなかったと思われます。

さて、この期に及んで改めて思うのですが、日本では衆院選と参院選の二回連続で選挙に勝たないと政権交代はできません。しかも重要なのは解散がなく、選挙の時期が固定である参議院の方であることはよく考えると気づくことができます。どうしても衆議院の方を重視したくなりますが、大事なのは解散に追い込めない参議院です。

この二回連続で選挙に勝たないと政権交代ができず、法的に衆議院に劣位するはずの参議院の方が政治的には重要であるという事実は、ねじれると政局に時間を非常にとられることになり、何も進まなくなることが明らかになりました。

下らない争いをしているうちに日本はまた周回遅れになりかねない感じが出てきました。選挙の後には二院制を何とかする議論が必要でしょう。

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京都地裁、賃貸住宅の更新料を消費者契約法違反で無効と判示

建物賃貸借の契約更新において授受される更新料という名前の金銭があります。どういう意味の金銭なのかよく分からないために法的性質について色々と議論があるところなのですが、近時、無効であるとして賃貸人を提訴する事例が相次いでいます。

このたび、更新料を無効とする判決がはじめて京都地裁で23日に出ました。

賃貸更新料は無効 家主に返還命令…京都地裁が初判断(読売新聞2009年7月24日)

賃貸マンションの契約更新の際に「更新料」の支払いを求める契約条項は、消費者契約法に反するとして、京都府長岡京市の20歳代の男性会社員が、支払い済みの更新料など46万6000円の返還を家主に求めた訴訟の判決が23日、京都地裁であった。辻本利雄裁判長は「入居者の利益を一方的に害する契約条項」と認定、同法に基づいて、更新料の契約条項を無効とする初の判断を示し、家主に請求全額の支払いを命じた。

(略)

判決によると、男性は2006年4月、京都市下京区のマンションに、賃料月5万8000円、2年ごとの契約更新時に賃料2か月分の更新料を支払う、との契約で入居。08年の更新時に11万6000円を支払ったが、同5月末に退去した。

裁判で家主側は「更新料には賃料の補充的要素がある」などと主張したが、辻本裁判長は「更新後の入居期間にかかわりなく支払わなければならず、賃借人の使用収益の対価である賃料の一部とは評価できない」と指摘。そのうえで、「家主が主張する更新料の性質に合理的理由は認められず、男性に具体的かつ明確な説明もしていない」などとし、契約条項は無効と判断した。

男性は入居時に払った保証金(敷金)35万円の返還も求めており、判決は保証金も消費者契約法に照らして無効とし、請求を認めた。

(略)

さて、結論を導く構成ですが、消費者契約法10条です。

第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)

民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

10条の対象となる契約条項には、契約の主要目的に関する条項や物品・権利・役務の対価に関する条項は除外されると解されています。それは取引の結果であり介入は控えるものの、一方で無関係なものが付着する場合を無効とする趣旨ということです。東京地裁判決の全文はまだ見ていないのですが、上記の報道によると賃料の一部であるか否かが問題となっているのだと思われます。

よって問題は更新料なるものの法的性質如何で決まることになります。ここの賃貸借によって事実が異なる可能性もありますが、賃貸借契約での金銭の授受項目は定型的に行われているものなのでそのまま他の場合にも妥当する考え方もできます。よってこの訴訟の今後や同種訴訟の判断が注目されるところとなりましょう。

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2009年7月23日 (木)

インテル、競争法違反問題で欧州委員会を欧州司法裁判所に提訴

欧州委員会の競争法政策は非常に意欲的であることは何度もお伝えしていますが、よくターゲットとなっているのがITの巨人マイクロソフトとインテルです。

両者には巨額の賠償や特定の行為を命令が課されており、両者とも司法手段に訴える一方、和解もするなど硬軟両面を使い分けています。

このたびインテルが、欧州司法裁判所に提訴したことが明らかになりました。

米インテル、欧州委を提訴 独禁法違反認定「判断は誤り」(日本経済新聞2009年7月23日)

【シリコンバレー=田中暁人】半導体最大手の米インテルが、同社を独占禁止法違反と認定した欧州連合(EU)の欧州委員会の制裁は不服として、欧州司法裁判所に提訴したことが22日、明らかになった。インテル広報によると、提訴内容の詳細は非公表。欧州委は5月、インテルがMPU(超小型演算処理装置)販売で独禁法に違反したとして、10億6000万ユーロ(約1410億円)の制裁金支払いを命じた。

インテルが今月発表した4~6月期決算は、欧州委への制裁金支払いが影響して1986年以来となる最終赤字に転落した。ポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)は5月の時点で「欧州委の判断は誤り」として、裁判で全面的に争う姿勢を表明していた。

(略)

最終的に減額して落ち着くことも考えられますが、マイクロソフトの件では歩み寄るまでに3年半かかったとされており、マイクロソフトの場合は抱合せ販売をやめるとかの行為を命令することもできますが、インテルの場合は制裁金が前面に出てきてしまいますので、当面は全面対決で事態は推移すると思われます。

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中国、国内における出版物の流通規制をアメリカがWTO違反として訴えたパネルで敗訴

中国がWTOに加盟したのは悲願でしたが、中国が関係した紛争処理案件も複数上がってきています。

アメリカが中国を訴える米中通商紛争と呼称してよいものがいくつか起きており、このたび、中国の行っている輸入出版物の流通規制のうちの一部がパネルでWTO法違反とされたことが報道されました。

中国、米に3度目の敗訴  ソフト規制の通商紛争(47NEWS2009年7月23日)

【ジュネーブ共同】米国製の映画や音楽ソフトを含む幅広い出版物の流通を規制する中国の国内制度は世界貿易機関(WTO)協定違反だとして、米国が中国を訴えていた通商紛争で、WTO紛争処理小委員会(パネル)が、米国側実質勝訴の判断を示す報告書を作成したことが分かった。AP通信が22日報じた。

WTOを舞台にした米中通商紛争で、中国が敗訴するのは自動車部品関税と知的財産権の保護問題に続き3度目。

米国は2007年4月、劇場上映用の輸入映画や家庭向けのビデオ、音楽CDを中国国内で販売する場合、特定の国有企業にだけ輸入権を与えるなどの中国の規制は、外国のメディア企業を不当に差別しているとして提訴していた。

複数の当局者によると、パネル報告は大筋で米側の主張を認めたが、一部の規制は協定違反ではないと認定したという。

どういった判断を下しているのかよく分からないので、詳細が分かったらどのような点がWTO法に反するのかについて追記したいと思います。

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日本で一番で首相に近い男がやってきた

今日、うちの選挙区に民主党の鳩山代表が来たそうです。

ここっててこ入れで勝てるという重点選挙区だったのかと驚きました。まだどの候補もまわってこなくて、全然ドブ板選挙の感じがしないんですが。

うちの市よりも大きな市を抱えているので、そちらに注力しているのだと思われます。事実、鳩山代表もそちらで遊説したそうです。

しかし、地区別の投票率とかを見ると重点の置き方がなっていない感じがします。選挙のやり方って、まだまだ工夫の余地は大有りなのではないでしょうか。小沢一郎は独自に選挙の指導をしているとかいわれていますが、徹底して歩けというのはいいですけど、もっとマーケティングの視点を入れて、効果的に歩く先を指導するくらいしたらどうですかね。

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最高裁、契約解除に伴う原状回復義務が信義則上、同時履行の関係にたたない場合について判示

契約を解除した効果として、既履行の分については原状回復義務が生じますが、その原状回復義務は民法546条から同時履行の関係に立ちます。

第533条(同時履行の抗弁)

双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

第545条(解除の効果)

当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

第546条(契約の解除と同時履行)

第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。

これが大原則ですが、このたび判例で例外的に信義則の観点から原状回復義務が同時履行の関係に立たず、解除した原告に対して被告が引き換え給付判決を求めることは許されないと判示した事件がありました。

最高裁判所第二小法廷平成21年07月17日判決 平成19(受)315 自動車代金等請求事件

事案としては、中古車の売買契約の解除です。

車種はシボレーなのですが、実は車台が二台の車の分が接合されたもので、事故車でよくやられるような細工によってできているのに、それが隠されていたという事案です。

買主は錯誤を理由として解除して売買代金の返還を求めて提訴したのですが、これに対して被告は、同時履行の抗弁権を行使、当該車の返還と車の移転登録を主張しました。

原因は同時履行の抗弁を容れて、引き換え給付判決を出したのですが、最高裁は、移転登録まで引き換え給付を認めたのは認められないとしました。

その理由は、既登録の複数の車を接合しているため、実は複数の登録番号を保有しているのに、それを売買に伴って一台分だけ登録している状況であるために登録を移転することが困難であるということを指摘しています。まず複数登録を解消しないといけないために仮にできるとしても困難であると言及しています。

よって、困難なこととの同時履行を求めることは公平を欠くとして、同時履行の抗弁権を主張して引き換え給付を求めることは信義則上許されないとしました。

かなり事案の特殊性が作用しているものであり、むしろこのような極端な場合でない限り、原状回復は同時履行にたつということが確認できるように思えます。

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2009年7月22日 (水)

旧カネボウ個人株主、産業再生機構からの種類株取得の際の価格の公表がなかったため普通株のTOBの価格が不当に低かったとしてトリニティを提訴

旧カネボウの個人株主が投資ファンドのトリニティ・インベストメントを新たに提訴しました。

本日の日経朝刊に記事があったのですが、ネット版には載っていないようなので引用はなしです。

今回の提訴は、トリニティが産業再生機構から種類株を相対で取得した対価は201円であるのに、そのことを開示しなかったために、一般株主の普通株式に対するTOB価格が162円になり、高く処分する機会を失ったというものです。

201円の方が公開されていれば、TOBに応じなかったとか、安く提示されたのでTOBに応じるわけに行かず売ることができなかったという趣旨のようです。

種類株と普通株とでは全く同じ価値とはいえませんから、普通株も201円で買うべきであったのだとはいえませんので、適切な価値は別途普通株について計算する筋合いのものでしょう。

ちなみにTOB後に少数株主からの買取価格に関する価格決定の申立てに関しては、東京地裁は360円が適当と判断しています。これはまだ確定していませんが、トリニティの提示した少数株主に対する買取価格はTOB価格と同じであったので、TOB価格も安すぎるといえるかもしれません。すると今度の訴訟にも理由は十分にあることになりそうです。

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株主総会の議決権行使結果を開示した会社は総計で27社に

議決権行使結果の開示がわずかながら始まる(2009.07.13)の続報です。

6月24日段階で、株主総会の議決権行使結果を開示した会社は7社と報道されていましたが、最終的には27社になったことが報道されました。

株主総会の議決権行使結果の開示、27社に拡大 09年、民間調べ(日本経済新聞2009年7月22日)

株主総会の議決権行使結果を開示する動きが広がっている。大和総研経営戦略研究所の集計によると、今年はすでに三菱商事や第一三共など27社がウェブサイトで議決権行使結果を開示した。昨年は通年で4社にとどまっていた。国内外の機関投資家が企業に対して結果を開示するよう働きかけを強めており、今後も開示に踏み切る企業が増えそうだ。

大半の企業が事前行使分のみの集計を開示した。取締役選任議案の結果については多くの企業が全候補者の最少得票と最多得票を幅で表示しており、誰がどのような理由で反対票を投じられたのかまでは分からない。個別の得票まで開示したのはアデランスホールディングスとイオン北海道だけだった。(07:00)

投票結果の数値的なの開示は法的な義務では全くありませんが、支配権争いや株主提案権の行使があるような会社では、今後も詳細な個別開示をするように働きかけが強まっていくことと思われます。

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自然現象への驚愕

今日は日食の日で、特集番組も組まれていました。

日本では天体ショーとしての扱いですが、中国では社会不安にならないように政府は警戒していたようです。インドでは不吉なものと扱われるそうで、例によって川に集まっているシーンが流れていました。

やはり昼間に日が陰ってしまうというのに畏敬の念を感じるのは、科学がこれだけ発達した今日でもなお残っている自然な感情なのでしょう。

日食に不安になるというのは、当然ですが科学知識が一般のものになっていない昔の方がより顕著だったと思われます。

日食ではなく月食なのですが、ローマ帝国時代に極めて象徴的な事象が起きています。

ローマ帝国で初代皇帝アウグストゥスが亡くなった後に、指導者の死に対する不安から軍団兵の心に不安感が生じるのですが、それに漬け込んだアジテーターに扇動されて軍団でストライキが勃発してしまいます。

このストは賃上げと定年どおりの退役を要求する労働争議と化してしまい、極めて勢いが強く、指揮官たちは対応に苦慮するのですが、ちょうどそのとき、月蝕が起きたのでした。

ストをしていた軍団へいたちはこれを不吉なことと捉えて、ストをした自分たちの行動が誤っていたと思って嘆き、それを利用した指揮官たちによって心が揺らいだ軍団兵たちは分断されて、ストは終息するのです。

ここでポイントなのは、月食を非常に大事に捉えてしまうという原始的なところもさることながら、ローマ軍の指揮官たちは月食の原因をしっており、脅えるどころか利用しようとするところです。ローマ時代が科学的に非常に進んでおり、それが指導者たちにとっては当然の知識となっていたことに驚くべきでしょう。

ローマ時代は市民からなる軍団兵を統率する指揮官は、全市民や属州民を相手にする為政者の予備軍でした。軍人は指導者に必要とされる幅広い教養とそつのなさを兼ね備えている必要が本来的に合ったために、当時の政治家に必須の経験であったわけです。

このような総合力を問われる軍団指揮官は、ローマ帝国が蛮族の侵入で混乱に陥って軍団の規模が小規模化して、総合力を問われる指揮官から小集団を率いる軍事技術のプロに変わってしまい、失われてしまいます。後期ローマ帝国で皇帝が小粒になってしまうのは、これが作用して結果としてローマ帝国は下り坂から脱することはできなかったと塩野七生氏は分析しておられます。

私もこの考え方に納得がいくのですが、転じて今日の世界情勢を見ると、あらゆる分野が極度に専門分化してしまっているため、最盛期のローマ皇帝のような総合力を持った人物は中々いなくなっています。これはどう見ても指導者に人材難である日本の混迷に特に当てはまると思われます。もっと皆何とかなりませんかね。

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2009年7月21日 (火)

東証が8月から施行する第三者割当に関するルールの内容が報道される

東証が上場企業に適用する第三者割当に関するルールを制定することはすでに報道されていましたが、そのとき検討されていた内容は以下のようなものがあげられていました。

第三者割当増資に規制(読売新聞2009年4月15日)

東京証券取引所がまとめる株式上場制度の見直し案の全容が14日、明らかになった。上場企業が大規模な新株発行を行う際などに、以前からの株主の権利を保護する内容で、日本企業が広く行う「第三者割当増資」に対する規制を盛り込んだ。一方で、企業の機動的な資本調達を制約する恐れもある。企業が取引先の金融機関や企業など、特定の「第三者」を引受先に新株を発行する第三者割当増資は、以前からの株主の持ち分が目減りする弊害が指摘されていた。

見直し案の柱は、〈1〉発行済み株式数の3倍を超える新株を発行する企業は原則、上場廃止〈2〉発行済み株式数の25%以上の新株を発行する企業などは、事前に株主総会での承認決議などが必要〈3〉10株を1株にするような「株式併合」で、保有株が1株未満となり議決権を失う株主が生じるような企業も原則、上場廃止――などとなっている。

(略)

ここにきて20日付の日経朝刊の法務面に、検討を経たルールの内容が報道されました。

希釈化率(第三者割当で増加する分の議決権を既発行の議決権総数で割ったもの)が300%を超える場合

株主の利益を侵害するおそれが少ないと認められる場合を除いて、上場廃止

支配株主が異動して、3年以内に支配株主との取引の健全性が著しく棄損された場合

株主の利益を侵害するおそれがあると認められるときは、上場を廃止

希釈化率が25%以上、または支配株主が異動する場合

第三者委員会の意見の入手か株主の意思の確認

第三者割当全般

適時開示、割当先が反社会的勢力と関係がない旨の確認書を提出

※7月20日付日本経済新聞による。

会社法から行くと、新株発行は発行済み株式総数の4倍までしかできないはずではないかと思えますが、株式併合と新株予約権を組合せることでこれを実質的に潜脱する事例が起きており、株式数に着目することに限界があることから、判断基準を希釈化率という概念を立てていることが分かります。

第113条(発行可能株式総数)

株式会社は、定款を変更して発行可能株式総数についての定めを廃止することができない。

2 定款を変更して発行可能株式総数を減少するときは、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数を下ることができない。

3 定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

4 新株予約権(第二百三十六条第一項第四号の期間の初日が到来していないものを除く。)の新株予約権者が第二百八十二条の規定により取得することとなる株式の数は、発行可能株式総数から発行済株式(自己株式(株式会社が有する自己の株式をいう。以下同じ。)を除く。)の総数を控除して得た数を超えてはならない。

第三者割当すべてについて株主総会決議を要求することも浮上したようですが、経済界の反対で見送りになった模様です。

色々な手法を組合せて使えるようになっていることで、既存株主をないがしろにする手練手管が色々と可能になっています。立法は機動性を欠くことから東証の繰り出すソフトローの意義は大きく、実質的に会社法の規制を補完するものとして機能すると思われます。

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みんながDSに向かっている

ドラクエがやりたくてDSを買ったという人が私の回りでも結構いました。ハード購入のきっかけになるとは大変な吸引力でさすがドラクエというところです。

私はまさにファミコン世代なのですが、まったくゲーム機を買ったことがなく、ようやくプレステ2を会社に入る直前に買ったくらいです。ですので別にドラクエには惹かれるものはないです。

その代わりパソコンでゲームをするので、ゲームをしないわけではないのです。またプレステはもっぱらガンダム専用機になっています。しかしガンダムゲームには当たりはずれが大きく、ひどい目にあうことも多く、最近は忌避するようになってしまいました。プレステはすっかり埃をかぶっています。

自分のパソコンを入手したのは大学に入ってからなのでゲーム歴は10年くらいしかないです。初等中等教育の頃ゲームを全然しなかったので、勉強する時間が取れてよかったのだろうと今では思います。しかし東大でできた知人には熱狂的なゲーマーも多く、一時期よく言われたゲーム脳とかそういうことは人によりけりで、ゲーム全般が脳に悪いとかそういうことはないでしょう。

私はガンダムのゲームを仕事で徹夜明けで翌日休みのときとかにやっていたのですが、翌日休みだからいいやとおもって、睡眠をとらずにゲームをしていると、いきなり電話がかかってきて翌日が急遽仕事になることが多かったです。ゲームをしているとなぜか呼び出されるというこの恐怖。今でもプレステのコントローラーをいじっているとそのときをよく思い出します。

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2009年7月20日 (月)

最高裁、36協定を超えて時間外労働をさせた場合の労基法32条違反の罪について判示

労働法を勉強するときに、労基法は私法なのか公法なのかということを気にする場面がよくありますが、これは労基法に行政取締規定があったり罰則がついていたりするためです。

しかし、労基法で定められた制度に反すると必ず罰則があるわけではなく、いくつかに関してのみ罰則がついています。

36協定に反して超過して時間外労働をさせたという事案があり、労基法36条のうち36協定に関する違反には罰則がついていないのですが、これに対して検察官が週40時間の労働時間を定めている労基法32条には罰則がついているために労基法32条違反で公訴を提起して最高裁まで争われる事態になりました。

第32条(労働時間)

使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

第36条(時間外及び休日の労働)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。

②厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。

③第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。

④行政官庁は、第二項の基準に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

第119条

次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者

二 第三十三条第二項、第九十六条の二第二項又は第九十六条の三第一項の規定による命令に違反した者

三 第四十条の規定に基づいて発する厚生労働省令に違反した者

四 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第六十二条又は第六十四条の三の規定に係る部分に限る。)に違反した者

最高裁判所第一小法廷平成21年07月16日判決 平成19(あ)1951 道路交通法違反,労働基準法違反被告事件

問題となった会社は、事実認定によると1日7時間、1ヶ月130時間といった内容の36協定を1年期限で有効に締結していたのですが、130時間を超えて2ヶ月に渡り合計53時間45分の36協定違反の時間外労働をさせてしまったという事案です。

原審は、36協定違反には罰則がついていないことから、月単位の超過は犯罪を構成しないとして週単位の超過が32条違反として犯罪になるとしつつも、検察官の訴因は月単位になっており、週単位分の超過に計算しなおした予備的な訴因変更は違反している規範が別である以上両立するとして公訴事実の同一性がないことから、訴因変更を認めず、無罪としました。

これに対して最高裁は、検察官の訴追意思の解釈を行うというよくある手法を展開して、32条違反での訴追意思があるとして訴因を補正すべき場合であるとしました。

ここまでは刑事訴訟法のおさらいのような内容ですが、この後訴因変更するべき内容について興味深い判示をしました。

32条からは1週間とだけあるのですが、その一週間の起算の仕方については特に定めはありません。月曜から労働時間を計測することを求められているのかは分からないわけです。

そこで、36協定の起算にあわせて週の労働時間を計測してよいとしました。

36協定は1日1月1年間でそれぞれ許される時間外労働時間の上限を定めておくもので、しかも年度始めとか元旦からという締結ができるとは限りません。そこで計算する期間を定めておく必要があるのですが、それに依拠して週の労働時間規制を超過するかの計算をしてもよいとしたわけです。

36協定に反した場合の法的効力が実はたいしたことはないというのは労働法を勉強された方はご存知だと思いますが、この判例によって36協定違反に根拠を有して罰則が適用される場合が肯定されました。この事例の与える影響は中々大きいのではないかと思われます。

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最高裁、刑法の強制執行妨害罪でいう強制執行には担保権実行としての競売も含まれると判示

刑法に強制執行妨害罪というのがあります。

第96条の2(強制執行妨害)

強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「強制執行」というと、民事執行法の条文からは、担保権実行としての競売が入らないことになりますが、刑法の強制執行妨害罪では担保権実行も含まれると最高裁が判示しました。

最高裁判所第一小法廷平成21年07月14日判決 平成19(あ)2355 強制執行妨害,電磁的公正証書原本不実記録,同供用被告事件

理由を特に言うことなく、端的に以下のように判示しています。

なお,刑法96条の2にいう「強制執行」には,民事執行法1条所定の「担保権の実行としての競売」が含まれると解するのが相当である

当然の判断だと思われます。

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最高裁、期限の利益喪失特約のもとで利息制限法所定の制限を越える利息の支払の任意性を否定した平成18年判決以前に当該制限超過分を受領したことのみをもって悪意の受益者と推定することはできないと判断

訳のわからないタイトルですいません。

サラ金関係訴訟にさらに新しい1件が加わりました。

サラ金関係訴訟というと一連の流れのように思えますが、民法の分野としては債権総論と債権各論にまたがる部分であり、整理するのは中々難しいものがあるので、やや記述にも困難が生じているのでご了承ください。

タイトル中で言及している平成18年判決とは、最判平成18年1月13日民集60巻1号1頁のことで、利息の支払を一度でも遅れれば全債務について期限の利益を失うという期限の利益喪失約款によって支払ったものの、引きなおして計算すると利息制限法の制限を超過している分は、改正前の貸金業法43条のみなし弁済の要件である「任意に支払った」には該当しないと判示したものです。

平成18年改正前貸金業法

第43条(任意に支払つた場合のみなし弁済)

貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第三条の規定により利息とみなされるものを含む。)の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、同法第一条第一項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。

一 第十七条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十七条第一項に規定する書面を交付している場合又は同条第二項から第四項まで(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十七条第二項から第四項までに規定するすべての書面を交付している場合におけるその交付をしている者に対する貸付けの契約に基づく支払

二 第十八条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項及び第二十四条の五第二項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により第十八条第一項に規定する書面を交付した場合における同項の弁済に係る支払

2 前項の規定は、次の各号に掲げる支払に係る同項の超過部分の支払については、適用しない。

一 第三十六条の規定による業務の停止の処分に違反して貸付けの契約が締結された場合又は当該処分に違反して締結された貸付けに係る契約について保証契約が締結された場合における当該貸付けの契約又は当該保証契約に基づく支払

二 物価統制令第十二条の規定に違反して締結された貸付けの契約又は同条の規定に違反して締結された貸付けに係る契約に係る保証契約に基づく支払

三 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第五条第二項の規定に違反して締結された貸付けに係る契約又は当該貸付けに係る契約に係る保証契約に基づく支払

3 前二項の規定は、貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定に基づき、債務者が賠償として任意に支払つた金銭の額が、利息制限法第四条第一項に定める賠償額の予定の制限額を超える場合において、その支払が第一項各号に該当するときに準用する。

すると、貸金業者が期限の利益喪失約款のもとで受け取った超過分は法律上の原因がないことになりますので不当利得ということになります。すると返還することになり、これがいわゆる過払い金の取り戻しという問題になるわけです。ここで民法の規定を眺めると、不当利得の返還には悪意の受益者であると利息をつけないといけません。よって利息をめぐる問題が浮上するわけです。

第704条(悪意の受益者の返還義務等)

悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

過払い金返還と悪意の受益者について判例があります。

最判平成19年7月13日民集61巻5号1980頁

この判例は、結果としてみなし弁済の適用が認められない場合には、貸金業者がみなし弁済の適用があると認識しており、かつ、そう認識を有するに至ったことについてやむをえないといえる特段の事情があるときでない限り、悪意の受益者と推定されるとしました。

以上のような判例法理を踏まえたうえで本件の検討です。

この事件では期限の利益喪失約款のあるもとでの過払い金返還が問題になっています。みなし弁済にはならないので返還は義務ですが、利息がどうなるかの争いであるわけです。

最高裁判所第二小法廷平成21年07月10日判決 平成20(受)1728 不当利得返還等請求事件

原審は、上記の平成19年判決に依拠して、期限の利益喪失約款に基づいて受領したということは、悪意の受益者という推定を覆す特段の事情はないと判断しました。

この理由付けが中々すごくて、平成18年判決ではじめて明らかになった解釈なので、それ以前は任意性があるという解釈が最高裁判例でもって裏付けられていたわけではないとして、平成19年判決のいう特段の事情があるとはいえないとしました。判例変更ではないため判例としてはブランクでした。よって確たるものがない以上、貸金業者が大丈夫だと認識する特段の事情があるとはえいないということです。

しかし、これはあまりに厳しいのは否定できません。本件に関してはこれまでの貸金業の政策的な態度から、明確に否定されていないならしていいものと期待しても仕方ない性格のものですし、確立した実務であったことも作用して、悪意の受益者とまでしてしまうのはあまりに過酷といえましょう。

そこで最高裁は以下のように判示して、原審を破棄、差し戻しました。

平成18年判決が言い渡されるまでは,貸金業者において,期限の利益喪失特約下の支払であることから直ちに同項の適用が否定されるものではないとの認識を有していたとしてもやむを得ないというべきであり,貸金業者が上記認識を有していたことについては,平成19年判決の判示する特段の事情があると認めるのが相当である。

このように、この判決は結論だけ見ると貸金業者よりですが、あくまで事実関係から妥当な解釈をしたにすぎず、サラ金関係訴訟で貸金業者に厳しい一連の流れに対してゆれ戻しなどの意図があるわけではないと思われます。

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気がついたら時間がたっている

せっかくの連休で色々やろうと早起きしたのですが、パソコンであれこれはじめてしまい、プログラミングしたりして大変時間を食ってしまいました。

そろそろ一息つくところなので、体系的に勉強をしなおしたいところですが、忙しいこともあり中々手につきません。

色々と決断しないといけないこともあるのですが、先送りしがちです。ここで積極的に行動すると全部ひっくるめてうまく行く気がしますね。

それでも、他人事となると、「試験合格しなくてもいいから結婚してくれ」と言われている人には、試験の結果がでてからの方がよいとアドバイスしている私なのでした。

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2009年7月19日 (日)

最高裁、日本システム技術事件で代表取締役にリスク管理体制を構築する義務に違反した過失はないと判断

従業員が自分の営業成績をあげるために架空の売上げを計上したことから、同事実の公表によって株価が下落したとして代表取締役に責任があるとして、代表者の責任について会社に損害賠償責任を追及した(会社法350条)訴訟で最高裁判決が出ました。この事件は当該企業の名前を取って日本システム技術事件と通称されています。

最高裁判所第一小法廷平成21年07月09日判決 平成20(受)1602 損害賠償請求事件

取締役は善管注意義務と忠実義務を負っていますが、これだけでは抽象的に過ぎます。経営判断については経営判断原則によって判断されますが、このほかに具体的な義務がいくつか解釈で確立されてきました。

それが取締役相互間での監視義務とリスク管理体制構築義務です。リスク管理体制構築義務については、いわゆる日本版SOX法より前から裁判例(大和銀行株主代表訴訟事件において言及されました)によって認められていたことに注意が必要です。

リスク管理体制構築義務に反したか否かについては、判断がそれほどあるわけではないのですが、発生した不祥事と具体的にどのような体制を構築していたかの事実関係から判断することになります。

そこでこの事件の事実関係を見てみます。

この件の従業員の架空売上げ計上の手法は極めて巧妙です。

  • 販売の相手方が限定的である特殊な事業であるため、相手方の偽造印を作って注文書を偽造
  • 別の部署が販売に応じて相手方に送付する検収依頼書を相手方に渡らないようにして検収したように装う資料を作成
  • 財務部、監査法人が相手方に送付する売掛金残高確認書は相手方に虚偽を伝えて開封することなく回収して、残高を確認した用紙を作成して勝手に返信

このようにして、いくつか用意されている確認のための制度をすべて手を回してふさいでしまうことで発覚を防いでいました。

原審は、上記のように確認のための手段が、頑張って企図すれば不正ができてしまう程度のものでしかなかったことを捉えて、適切なリスク管理体制を構築していなかったと評価して過失があると判断しました。

これに対して最高裁は、判断を一変させて、過失はないと判断しました。

上記に出ている仕組みについては、一応、事業部門と財務部門の分離やチェックの仕組みが構築されていることから、

通常想定される架空売上げの計上等の不正行為を防止し得る程度の管理体制は整えていた

と評価しました。

これに対して当該従業員のした上記のような不正は巧妙を極めているとして、

通常容易に想定し難い方法によるものであったということができる

としました。

加えて、以前に同種の不正行為はなかったことと、架空売上げなので売掛債権が大量にたまっている状況になっていたのに疑問に持たなかったのはおかしいという批判がある点に配慮をして、相手方とは紛争を生じたことがなかったことを指摘して、すべてをまとめてリスク管理体制構築義務に違反した過失はないとしました。

原審の言うように、抜け穴があるような不正防止の仕組みしかできていないのは過失があるといえるように思えないでもないですが、完全な不正防止システムを構築したらどう考えても費用倒れでしょうし、ちゃんとしている会社でも多かれ少なかれ抜け穴のあるような仕組みにとどまっていると思われます。

よって、最高裁の判断は現実的な判断として妥当なものだと思われます。

この判例の射程を判断するのは難しいですが、リスク管理体制構築義務に関する判例として会社がどこまでシステム整備をすればいいかについて、重要な基準を示すものになるように思えます。通常容易に想定できる不正に対処できる程度の体制を構築すればよいという基準となるのではないかと考えられます。

余談ですが、これは代表訴訟や取締役に対する責任追及ではなく、代表者の責任を根拠に会社に損害賠償請求をした350条の事件です。勉強している分にはあまり注目されませんが、このような条文もあることを確認しておきましょう。

第350条(代表者の行為についての損害賠償責任)

株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

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大混雑

今日は定例の用事があり、東大に出かけてきました。

夏休みが始まったこともあり、親子連れが構内をまわっていたり、修学旅行のような学生の団体がたくさんいたりで、かなり混雑していました。

学生さんが昼食を中央食堂でとっていたみたいなのですが、せっかくの機会なのですからもっとおいしいところで食べた方がいいのではないかとやや気の毒に思いました。何だか皆カレーを食べていたみたいでした。

修学旅行の昼食ってカレーが本当に多いですね。大量に用意するのが楽だからでしょうね。

混雑といえば高速道路1000円のせいで関越自動車道が大変な混雑になったようです。うちのあたりでは切りとおしになっているので見下ろす感じになるのですが、しっかり渋滞していました。政権交代したら無料になりますからもう大変です。車って工場ほどではありませんがすごい二酸化炭素を出すんですが、産業界にかなりきつめの二酸化炭素削減させることを謳いながら、一方で排出促進をしてしまうこの矛盾というか愚弄している態度、何とかなりませんかね。

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2009年7月18日 (土)

投資ファンドのエフィッシモ、出資先の日産車体を提訴

今日の日経朝刊に載っていたのですが、なぜかネットには載っていなかったので、引用はなしです。

日本では親子上場がよくあるということが世界と比較して珍しいことで、親会社が支配を続けながらの上場ですので、一般株主は少数株主となって閉じ込められたり、一般株主を犠牲にする傾向があるなどの問題が指摘されてきました。

親子上場については最近問題視される傾向にあり議論がおきつつあるのですが、そのような中で日産の関連会社で車体を作っている日産車体で興味深い事例がおきました。

日産車体は日産自動車が42.57%を保有しているのですが、一方で東証一部にも上場しており、親子上場の事例の一つといえます。現金をたくさん持っている極めて優良な会社です。

この日産車体の日産自動車以外の株主には投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが14.5%を保有する大株主となっています。

この日産車体は、よくあるグループ会社間の資金の一括管理によって資金を低利で別のグループ会社に貸し付けており、これが日産車体の利益を失わせているとして、エフィッシモが日産車体を提訴したことが明らかになりました。

逸失利益が出ているほか法令違反のおそれがあるとして差止を求めていると本紙面では言及されており、多分、360条の取締役の行為の差止めではないかと思われます。

第360条(株主による取締役の行為の差止め)

六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3 監査役設置会社又は委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。

親子上場の問題に投資ファンドが反対の動きを起こしたように見えますが、一方でグループ会社間での資金の融通はよくある手法で、グループ会社間で融通することで結果的に自らに仕事がまわってくるようにするということも考えられるので一概に悪いことと判断はできません。今後の動向が注目されます。

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だるい

今日はうちの周りでは暑いのもさることながら、湿度がすごかったです。湿度が高いと疲れますね。

一日中、能率が上がりませんでした。

さて、最近、最高裁判例が相次いでいます。取り上げたいのですが、色々と忙しくて思うに任せません。二週間遅れ位になってきていて非常に心苦しいのですが、もう少ししたら余裕が出るはずなので、そうしたらどんどんと取り上げて行きたいと思います。

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2009年7月17日 (金)

最高裁、担保不動産収益執行のもとで抵当権設定前の保証金返還請求権と賃料の相殺について判示

担保不動産収益執行は、抵当権を設定した不動産が賃貸されている場合に賃料に抵当権者がかかっていくというのが代表例です。過渡的に物上代位で賃料にかかっていくことが行われていましたが、立法した以上担保不動産収益執行に収斂していくべきとされています。

抵当権者が物上代位で賃料にかかっていく場合に大問題となったのが、賃料を実際には払わずに敷金など賃貸人(抵当権者から見れば担保権設定者)に対して差し入れた金銭の返還請求権と相殺を主張することが起きた場合の物上代位との優劣でした。

この問題とほぼ同じことが担保不動産収益執行でも起きまして、最高裁判決がでました。

最高裁判所第二小法廷平成21年07月03日判決 平成19(受)1538 賃料等請求事件

問題となっているのは建物です。

平成9年11月20日 賃貸借契約締結 保証金敷金交付

平成10年2月27日 抵当権設定

平成18年5月19日 担保不動産収益執行開始決定

平成18年7月5日 平成19年4月2日 賃借人が相殺の意思表示

上記のような経過をたどりました。

抵当権に基づく物上代位の判例から考えると、上記のような時系列ですと、抵当権設定よりも前に賃借人が債権を取得しているので、物上代位よりも相殺が優先される場合になります。

しかし原審は、相殺を認めず、担保権者の請求を認容しました。その理由として担保不動産収益執行開始決定以降は管理人に賃料債権が帰属するので、保証金返還請求権と賃料は相殺適状にないと判示しました。そうでないとしても、相殺の意思表示は管理人に対してしないといけないので本件では有効な意思表示がないとしました。

この原審の考え方から行くと、物上代位よりも担保不動産収益執行の方が担保権者から見た機能が強化されていることになります。しかし、最高裁はこの解釈を否定しました。

担保不動産収益執行の管理人の権限について以下のように、権利を行使する権限にすぎないと述べています。

管理人が取得するのは,賃料債権等の担保不動産の収益に係る給付を求める権利(以下「賃料債権等」という。)自体ではなく,その権利を行使する権限にとどまり,賃料債権等は,担保不動産収益執行の開始決定が効力を生じた後も,所有者に帰属し
ているものと解するのが相当

よって、相殺は賃貸人に対してすることができるとしました。

すると規範は物上代位と同じになりますので、続いて、賃借人の債権の取得時期と抵当権の登記の時期を比較しています。結果、上記のような時系列ですので相殺を持って対抗できるとしました。

担保不動産収益執行は抵当権者の物上代位と近い効果になることが明らかになったわけですが、抵当権の公示がないうちに取得した債権なのに、担保権者が物上代位ではなく担保不動産収益執行を選択すると突然相殺が対抗できなくなるのは結論としてバランスを欠きますし、理論的にも収益執行をするのはあくまで抵当権者にすぎず、破産管財人等とは異なるという原理的なところから考えると最高裁の言うとおりだと思われます。

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まだ8月前だが終わらない8月

今朝起きたときは雨が降っていたのでやや涼しくてよかったです。

自然が満ち溢れすぎのうちの庭にはトカゲが住んでいるのですが、夜中に犬たちがトカゲを追っかけまわして毎日ギャーギャーいっていて大変です。どうでもいいことは気にしないようになればいいのにどうも価値判断がおかしいようです。

さて、涼宮ハルヒのアニメがまたはじまったので録画してみているのですが、さすがに短編であるエンドレスエイトでこんなに話数を稼ぐとは思いませんでした。

残りの話数を考えると、もはや涼宮ハルヒの消失をやるのは望み薄になってきているようで、多くの失望の声がネット上にあるようです。私も同感です。

まだ完全にやらないと確定したわけではありませんが、仮にやらないとしても、それほど意外な感じがしません。

今回のアニメ化には角川書店は情報を全く出さないという異様な宣伝展開をしていますし、全然情報を言わない割には、涼宮ハルヒの消失のシーンを描いたグラフィックだけが公表されており、さも消失をやるかのようでしたが、これは強調していることは実は逆である(逆になる)という情報操作の常道を行っている気が前々からややしていたのです。

弟は当然やるだろうという見解で、何でそんなことを考え付くのか分からないといった感じだったのですが、多分なのですが企業人の感覚からはなんとなく分かります。本当に誘導したいところに早く気づかれるとハレーションが強くて困るので目くらましをして時間をかけるということはよくするからです。アニメはどうせすぎにやるかやらないかですので、先送りをするようなものではなく、ただ単に気を持たせているだけで罪なことに過ぎません。よって一般的な企業活動とは動機が全く違います。それでも思考と行動の様式には似ているものがあるのもしれません。

今となってはこの考えが外れてくれて、皆が満足できる結果になってくれることを祈るばかりです。

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トライアイズ、監査役によって株主総会決議取消訴訟が提起されている決議について臨時株主総会を開いて再び議案とすることを表明

監査役が監査費用の請求訴訟を会社に対して提起しているという珍しいことが大証ヘラクレス上場のトライアイズで起きていることはお伝えしましたが、そのエントリーでも少し触れましたが、監査役は株主総会決議の取消訴訟も提起しています。

このたびトライアイズは、事態の打開を目指してこれら取消訴訟の対象となっている決議について再び臨時株主総会を開催して議案として上程するとリリースしました。

株主総会決議取消訴訟に対する対応方針に関するお知らせ

何を狙っているのかは、基本的なことですが、明らかです。

判例(最判平成4年10月29日民集46巻7号2590頁【ブリヂストン事件】)によると、同一内容の再決議を、取消訴訟が確定した場合に遡及して効力が生じるという条件で行うと株主総会決議取消訴訟の訴えの利益はなくなるとされているために、これによって訴訟を一気に解決することを意図しているわけです。

上記リリースは監査役の行動を極めて厳しい表現で非難しており、この点でも異例です。

しかし、このトライアイズの一件を見ていると、少数株主の利益まで考慮しなくてはならないことからそういう意味で本質的に会社のために正しいことを考えて行動するべき(だと私は考えています)監査役の善管注意義務と、支配株主によって左右されうる株主民主主義との対立という深刻な問題が起きうることを痛感しました(別にトライアイズの株主ことを言っているのではなく対立することが起き得るという考えに至ったというだけです)。

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2009年7月16日 (木)

キリン・サントリーの統合問題で公取委が慎重に審査する意向を表明

どうみても独禁法の問題になるキリンとサントリーの経営統合の件ですが、公取委が慎重に審査する意向を表明しました。

キリン・サントリー統合交渉 公取委「慎重に審査」(読売新聞2009年7月16日)

キリンホールディングスとサントリーホールディングスの統合交渉について、両社が公正取引委員会に打診していたことが15日、わかった。公取委の松山隆英事務総長が同日の定例記者会見で「(両社から)『交渉の初期段階にある』との説明があった」と述べた。

両社が統合すれば、ビール系飲料の国内シェア(市場占有率)が約50%に達するなど独占禁止法に抵触する可能性もある。松山事務総長は「交渉が進展すれば、事前相談があると認識している。日本を代表する大企業同士の統合事案で、慎重で詳細な審査が必要」との認識を示した。

言葉どおりに完全にこれからやるというわけではないと思いますが、そもそもの統合の行方からしてまだまだ不透明ですので、動きようもないのも事実でしょう。仮に統合されるとしたら、果たしてそのまま認めるのか、海外での競争法案件でよくあるように一部事業の売却などを命じるのか興味は尽きません。

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ビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載に基づく課徴金納付命令勧告について、ビックカメラは納付の意向を示すも元会長は争う姿勢を示す

証券取引等監視委員会がビックカメラの有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載について、6月26日に課徴金納付命令勧告を出しています。

株式会社ビックカメラに係る有価証券報告書等の虚偽記載及び同社役員が所有する同社株券の売出しに係る目論見書の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

これに対して、金融庁から審判手続き決定通知書がでていますが、ビックカメラは課徴金を納める意向を明らかにしました。

答弁書と課徴金納付について

一方、元会長の方は対照的に争う意向であることが報道で明らかになりました。

ビックカメラ相談役、勧告に不服の答弁書(読売新聞2009年7月16日)

家電販売大手「ビックカメラ」(東京都豊島区)の虚偽決算問題に絡み、証券取引等監視委員会が金融庁に対し、金融商品取引法に基づいて会長だった新井隆二相談役(63)に課徴金約1億2000万円を科すよう勧告したことについて、新井相談役が勧告を不服とする答弁書を金融庁に提出していたことがわかった。2005年4月に同法の課徴金制度が導入されて以来、初となる審判が開かれる見通しとなった。

(略)

これによって課徴金制度が導入されてはじめて、審判が開かれることになりました。

課徴金制度は平成16年の証券取引法改正で導入されました。

条文上は、課徴金を課すことができる開示違反などがあった場合に、すべからく審判手続き開始決定がされます(178条)ので、すべての場合において審判が行われるかのように思えますが、これに対して被審人は答弁書を出すことができ、これですべてを認めた場合には審判は開かれません(183条)。ビックカメラが提出したのはこれに当たります。

これに対して元会長は争ったために審判が開かれることになったわけです。

改正前独禁法の勧告審決や同意審決に良く似ていて、真似ていることがわかる制度設計であることが分かります。そのために審判に当たるのは金融庁の職員です。すると独禁法の場合と同じことが問題になりそうですが、証券取引等監視委員会という外部がきっかけを作っているところなど独禁法と異なります。あまり実例がないのでまだまだ議論になるような段階ではありませんが、いずれ問題になるときもあるかもしれません。

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超中古車

今日はやたらと車に乗っていました。

東大入学時に買った車なのでかなり古く、馬力も落ちてきて運転にえらい困難があります。きくところによるとトヨタは5年くらいで買い換えることを前提にしているらしく、事実10年以上も乗るともはや大変なことになります。

マニュアル車で車体の割りにエンジンが小さいので、元来スタートが非常に難しい車だったのですが、古くなったらもはやじゃじゃ馬どころではありません。これで冷房をつけるとより一層重くなり、かなりアクセルを踏み込まないと十分走りません。高速道路でもないのに何でこんなに踏まないといけないのとか思いながら走っていました。

エコカー減税があるうちに買い換えたいところですが、見通しは立ちません。

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2009年7月15日 (水)

今日は暑かった

今日は全国的に酷暑だったのではないかと思いますが、自宅の周りも35度以上になったようで、私の今日は全般的に大変な暑さでした。

北隣の市にあるデパートが毎年のように訪れる酷暑を逆手にとって話題にしようと大きな温度計を設置しているがテレビでやっていました。35度以上を表示していたようでした。私はそんなことをしているなんてついぞ知らなかったのですが、とにかく埼玉は暑いところなので、住んでいる人も訪れる人も気をつけましょう。

さて、グーグルに対抗してマイクロソフトもofficeをネットで無料で提供するようなのですが、さすがに使い勝手が気になります。プログラムをPCに入れなくても快適に動くんですかね。無料のオープンオフィスやgoogleドキュメントとかは使ったことがないのでなんとなく戸惑いがあります。

でもofficeは高いですからうちではしばらくアップデートしていません。いまだにoffice2002を使っています。尋常じゃない値段が落ち着いてくれるのはありがたい気がしますね。

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2009年7月14日 (火)

思考実験

キリンとサントリーの件は、実現した場合の効果に喜ぶよりも先に色々な法的問題がありそうであることはすでに方々で指摘されています。

まさにとんでもない独禁法案件になりそうです。

独禁法の問題はその通りだと思うので、会社法で何かあるか考えてみましょう。

持株会社を統合すると報道されているだけですが、どういう形をとるのでしょうか。共同株式移転にするのかと単純には考えますが、サントリーは同族会社であるのに対してキリンは上場会社ですから、あまり見たことがない事態でやや問題になりそうです。

当然、統合後にも上場を維持すると思いますが、サントリーは創業者の資産管理会社がほぼすべてを保有している会社ですから、どのような比率になるかにもよりますが程度の差はあれ、新会社は流動性が低くなってしまうことになるでしょう。キリン側の株主が少数株主になってしまうようなことになり、問題になる可能性もあるような気がします。

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2009年7月13日 (月)

楽天申立てのTBS株式の反対株主の株式買取請求で、楽天は3000円超を主張

TBSの認定放送持株会社への移行によって、一定以上の出資の道を閉ざされた楽天が、反対株主の買取請求権を行使しましたが、価格の主張を楽天が中々行わないために膠着状況でしたが、このたび1株あたり3000円超の価格を提示したことが13日の日経法務面で報道されました。

楽天主張の算定方法によると日経の推計で約3900円とされており、TBSは買い取り請求をした日の終値である1294円を主張しており、価格の開きは大きくなっています。

TBSの価格だと楽天は投じた資金の回収さえできませんが、自らが主張する価格だと利益が出ます。

すごいのは楽天の主張する価格の根拠は、認定放送持株会社を創設した改正放送法の成立した日の終値をベースにして、その上で認定持株会社に移行することが「なかりせば」の価格を加味するとしており、楽天とTBSが事業提携できていたら実現できた分まで加味することを主張している模様です。

この株式買取請求は、会社法785条の吸収合併等に反対した場合の反対株主の株式買取請求権であり、完全に会社法の問題です。

ただし、価格決定の申立ては、このブログでいくつか取り上げましたが事例が豊富とは言えず、判断基準が安定しているとは言いがたいのが現状です。どのような基準で算定するのかは非常に難しいものがあります。

先例から行くと、株価が下落局面だったとして、株式買取請求権を行使した日の終値よりも前倒しにして高めにする判断は可能でしょうが、事業提携していた分まで含めるのは無理のような感じがします。そのままの会社の実力を反映したものにとどまるように思われます。

ちなみに、なぜ785条なのかというと、認定持株会社への移行の仕方にポイントがあります。

それはテレビ事業などを組織再編の手法で外へ出して、従来からの法人は持株会社になるという手法を用いるためです。TBSの場合には歴史的経緯からすでに完全子会社を持っていましたので、吸収分割の手法で事業を切り出して移しています。そこで吸収合併等を使っているので、785条による権利行使ができるわけです。

価格の主張を不可解に遅らせた楽天に特に意図があるのかは分かりませんが、価格が決まるのが遅くなってしまうと利息がバカになりません。そこでTBSは一部の仮払いを申し出ている模様です。

これまでの価格決定の申立ての事案は、経営再建関連やMBO関連が多かったので、これらと比べると本件とは若干異質です。どのような判断がされるかが注目されます。

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議決権行使結果の開示がわずかながら始まる

昨今、株主総会において会社提案が否決される事態が生じることがありますが、これらを受けて、会社が自主的に議決権行使結果の開示を行う例が出ています。

産経新聞によると、今年は6月24日時点で7社が行ったことが確認されています。

株主総会「議決権行使」賛否割合 広がる開示 経営の透明性アピール(2009年6月24日)

報道によると7社とは以下のとおりです。

  • ソニー
  • マブチモーター
  • 資生堂
  • 角川グループHD
  • ニッセンHD
  • ローソン
  • バンダイナムコHD

議決権行使結果の開示は、当然ですが、会社法上の要求ではないので方式が定まっていることはありません。そのため賛成の議決権の数だけだったり、割合まで示したりとまちまちの模様です。

可決されるのか微妙な場合なら総会検査役がいたりするでしょうから、議決権行使結果の開示によって議事の公正を担保するという目的はあまりないのでしょうが、IRに意欲的な企業のあり方として今後も広がっていくと思われます。

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ピンチをチャンスに

さて、今年の新司法試験では東大からも結構な数の受け控え(出願して無事修了して受験資格を得たものの試験当日欠席した人と捉えます)が出ました。

周知のように倍率が厳しいことなどから勉強が進んでいない人が忌避をして来年に捲土重来を期している動きがすでに一般的になっています。

これが東大にもついに波及したのかと思ったのですが、会社の偉大なる先輩からまたもや驚きべき指摘を頂き、ちょっと調査してみました。

先輩は単に試験を忌避したのではなく、法曹になるのをやめて就職したのではないかと指摘され、東大ロースクールは一般的なロースクール卒よりも就職には有利とされていることからそれもありうる話でした。

よく考えると気づかなかったのが恥ずかしいくらいなのですが、それを受けて調べてみたら確かに一般的な就職をされた方や公務員に転進された方が続々見つかりました。さすが先輩、予想があっていました。

もっともロースクールでよく話していた方も試験を早くから諦めており、就職活動であちこちをまわっていたので、それを知りつつ気づかなかった私もうかつでした。彼は敦賀で元気にやっているかな。

さて、会社の偉大な先輩にはいつも感心させられていることばかりなのですが、残念ながらセブンイレブンは先輩の予想とは逆の方向に向かうようです。ピンチをチャンスに変えるあの大胆さはたいしたものです。マスコミが戦うフランチャイズオーナーを取り上げて彼らが勝利を収めたかのようでしたが、世の中は単純には行きませんね。

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2009年7月12日 (日)

あれはラーメンなのか

今日は昼間は用事で、夜は同志たちと、あの有名なラーメン二郎に行ってきました。ちなみに目黒店です。日曜なのに混んでいました。二郎なら当然のことなのでしょうが。

何度食べてもあれはラーメンなのか疑問がわいてきます。

インスタントラーメンはラーメンではなく、それ自体が一つの食品のジャンルのような気がしますが、同じくラーメン二郎もそれ自体が独立したジャンルなのではないかというくらい独特ですね。

現場勤務の頃、徹夜明けに飲んでその後にラーメン二郎というコースがありましたが、よく平気だったなと今では思います。普通気分悪くなりますよね。

でも目黒店のは徹夜明けで食べた店よりもおいしかったです。

最近は食べる量を抑えていたのに、一転して食べ過ぎてしまった一日でした。

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2009年7月11日 (土)

公取委、ブラウン管カルテルで外国企業に初の課徴金納付命令

アメリカや欧州委員会はよくすることですが、日本の公取委も外国企業に対するエンフォースメントをやり始めています。

排除措置命令はマリンホースのカルテル事件で、すでに出したことがありますが、このたび外国企業に対する初の課徴金納付命令を出すことになった模様です。

ブラウン管国際カルテルの疑い 海外企業に初の課徴金、公取委方針(日本経済新聞2009年7月11日)

テレビなどに使われるブラウン管を巡り、国際的な価格カルテルを結んでいた疑いが強まったとして、公正取引委員会は11日までに、日本と韓国のメーカー3社に独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除措置命令を出す方針を固めた。3社の東南アジアの製造子会社など数社に、総額数十億円規模の課徴金納付命令も出す見通し。

公取委が海外企業に課徴金納付を命ずるのは初めてとなる。公取委は今年春ごろから各社に命令案を事前通知しており、反論や意見を踏まえ正式に命令を出す。

関係者によると、3社はパナソニック子会社の「MT映像ディスプレイ」(大阪)とサムスン電子系列のサムスンSDI(韓国)、韓国のLG電子系列の製造メーカー。中華映管(台湾)とタイのメーカー(清算済み)も関与を認定されたもようだが、違反を自主申告したり、会社が存続していなかったりしているため、命令を見送るとみられる。(10:55)

ただ、この事件はブラウン管です。

すでに日本ではあまりブラウン管は使われていませんが、そのとおりアジア向けのテレビではまだブラウン管が使われていてそれ向けのカルテルでした。

すると、日本と関係ないことになりかねないですが、相手方が日本メーカーの子会社であり、価格交渉は親会社の日本メーカーとで行っていたことから日本の公取委が乗り出したということになったわけです。この権限行使はやや引っかかるものがありますが、まあ説明はつきそうです。

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違いが分かるかな

何だかあわただしい日々で困っています。

人と会ってばかりですがそろそろ少し落ち着きたいところです。

東大生協書籍部の有斐閣15%引きセールで、宇賀教授の行政法概説ⅠⅡの改訂されたものを買ってきてもらったのですが、Ⅱの方で、驚くべきことが書かれていました。

宇賀教授は随時ゼロベースで説を見直すようにされているそうで、最新の刊行物に掲載された見解が宇賀教授の見解なのだそうです。だから古いものを読むときは注意ということのようでした。

まだ中身には踏み込んでいないので、どこを改められたのかは分からないのですが、そんなことをかかれる以上、何か改められたのでしょう。

菅野先生は依拠している人が多いからという理由で説を改めないとされているらしいのですが、宇賀教授は全く逆の態度をとられているのですね。ただ、これは実務を無視しているとか理論を優先しているということではないように思えます。

Ⅱは行政争訟法を扱っていますが、行訴法改正以降新たなことを判示する判例が相次いでいますので、判例を前提にして見解を述べるべきところが出ているのかもしれません。

ただ、宇賀教授の教科書は情報は豊富なのですが、どういう考えなのかはやや分かりにくいので(私が思っているのではなく山本教授がそんなことを仰っていました)、どこが改められた見解なのか見つけるのは大変そうです。

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2009年7月10日 (金)

ホンダ、現地企業による類似商標の訴訟で勝訴

中国で現地の二輪メーカーによって登録された商標「轟達(HONGDA)」が、発音がホンダにしているとして、ホンダが政府の委員会に異議申し立てをしても認められなかったので、訴訟提起したところ、一転してホンダの訴えが認められ、審査にやり直しを命じました。

政府の委員会の段階では、漢字表記が異なるため誤認はされないとしていましたが、北京市第一中級人民法院は誤認混同をまねきかねないと、全く逆の判断をしています。

ちなみに中級人民法院というのは、4審級2審制の中国では下から二番目にあたります。中国ではどういう問題であるかによって第一審がどの審級から始まるかが決まっているためにいきなり途中からはじまることもあるわけです。

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個人情報が露出している感じがする

東大が運営するの東大卒業生のオンラインコミュニティのIDの通知が来ていたので、さっそく見てみたのですが、卒業年、学部と氏名が自動でメンバーに公開されるようになっており、このご時世なのに莫大な量の名簿が閲覧可能で、昨今の個人情報保護マインドが高まっている中では違和感を禁じ得ませんでした。

個人情報保護に関しては、過剰反応も目立ち国勢調査とか企業の現場で支障が出ているのですが、この辺はどうなのでしょうか。

ちなみに複数卒業している場合にはプロフィールに書き加えることができます。理系では当然のことなので学部と修士を出ている方は多いのですが、さすがに3度も東大を卒業している人はあまりいないようで、私の欄はやたらと縦長になってしまいました。何だか恥ずかしいです。

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2009年7月 9日 (木)

ライブドアの有価証券報告書虚偽記載で堀江元社長にまた損害賠償命令

ライブドア株主が同社の有価証券報告書虚偽記載で損害を被ったとして堀江元社長をはじめとする旧経営陣に損害賠償請求をしている裁判はたくさん提起されていますが、個人株主410名が提起したものの判決が9日に東京地裁でありました。

堀江元社長らに14億円賠償命令 ライブドア株急落、虚偽記載認め(日本経済新聞2009年7月9日)

ライブドア(現LDH)による有価証券報告書の虚偽記載で株価が急落し損害を受けたとして、株主410人が同社や堀江貴文元社長(36)ら旧経営陣に計約44億3500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(渡部勇次裁判長)は9日、同社などに計約14億6600万円の支払いを命じた。

渡部裁判長は、ライブドアの2004年9月期の有価証券報告書に虚偽記載があったとして同社や旧経営陣が賠償責任を負うと認定。原告側はライブドア株の取得価額から売却価額を引いた額が損害などと主張したが、同裁判長は04年の改正証券取引法(現金融商品取引法)に盛り込まれた「推定規定」を用いて損害額を算定した。

その上でライブドアによる虚偽記載の疑いが報道された06年1月18日の前後1カ月の平均株価の差額を基に、堀江元社長らの逮捕など虚偽記載以外の事情も加味し、最終的に1株あたり200円を損害額と判断した。(20:01)

この事件では、取得価格から売却価格を引いた株主の被ったいわゆる損害を全部請求しているのですが、金商法21条の2第2項に定めがある平均株価の比較とその他の下落事情を加味して減額をしている模様です。

第21条の2(虚偽記載等のある書類の提出者の賠償責任)

第二十五条第一項各号(第五号及び第九号を除く。)に掲げる書類(以下この条において「書類」という。)のうちに、重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けているときは、当該書類の提出者は、当該書類が同項の規定により公衆の縦覧に供されている間に当該書類(同項第十二号に掲げる書類を除く。)の提出者又は当該書類(同号に掲げる書類に限る。)の提出者を親会社等(第二十四条の七第一項に規定する親会社等をいう。)とする者が発行者である有価証券を募集又は売出しによらないで取得した者に対し、第十九条第一項の規定の例により算出した額を超えない限度において、記載が虚偽であり、又は欠けていること(以下この条において「虚偽記載等」という。)により生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該有価証券を取得した者がその取得の際虚偽記載等を知つていたときは、この限りでない。

2 前項本文の場合において、当該書類の虚偽記載等の事実の公表がされたときは、当該虚偽記載等の事実の公表がされた日(以下この項において「公表日」という。)前一年以内に当該有価証券を取得し、当該公表日において引き続き当該有価証券を所有する者は、当該公表日前一月間の当該有価証券の市場価額(市場価額がないときは、処分推定価額。以下この項において同じ。)の平均額から当該公表日後一月間の当該有価証券の市場価額の平均額を控除した額を、当該書類の虚偽記載等により生じた損害の額とすることができる。

3 前項の「虚偽記載等の事実の公表」とは、当該書類の提出者又は当該提出者の業務若しくは財産に関し法令に基づく権限を有する者により、当該書類の虚偽記載等に係る記載すべき重要な事項又は誤解を生じさせないために必要な重要な事実について、第二十五条第一項の規定による公衆の縦覧その他の手段により、多数の者の知り得る状態に置く措置がとられたことをいう。

4 第二項の場合において、その賠償の責めに任ずべき者は、その請求権者が受けた損害の額の全部又は一部が、当該書類の虚偽記載等によつて生ずべき当該有価証券の値下り以外の事情により生じたことを証明したときは、その全部又は一部については、賠償の責めに任じない。

5 前項の場合を除くほか、第二項の場合において、その請求権者が受けた損害の全部又は一部が、当該書類の虚偽記載等によつて生ずべき当該有価証券の値下り以外の事情により生じたことが認められ、かつ、当該事情により生じた損害の性質上その額を証明することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、賠償の責めに任じない損害の額として相当な額の認定をすることができる。

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地盤沈下なのか

少し前の日経に載っていたのですが、書籍の販売手法が変わってきているそうです。

あまりに返本が多いために、返本を認めない代わりに利幅を大きく設定しているそうで、書店店頭での値引きも起きるかもしれないということでした。

端的に再販制度を崩すような動きといえます。

書籍の特殊な販売制度は、独禁法の目の上のたんこぶ的な例外であり、これをなくすことは公取委の悲願ですが、議論しても利害関係者の反対でいっこうにも進まないものが、構造不況に陥って自分から崩壊していくというのは、自然の摂理なんでしょうが、逆にむなしいものもあります。言論によって選択が行われるのではなく、切羽詰ってからやるということですから。

当面は返本を認めないだけで、書籍の値崩れはおきないように慎重にことを進めると思われますので、劇的な変化に中々ならないと思いますが、とにかく大きな変化がおきつつあるようです。

一方で、ブックオフへの大日本印刷の出資などもあり、今後もビジネスモデルを守るための模索は続きそうです。

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大分地裁、商品先物取引で業者から受け取った損害金に雑所得として課税した課税処分を一部取消し

所得税において、損害賠償による損害金などは非課税所得となります。

所得税法

第9条(非課税所得)

次に掲げる所得については、所得税を課さない。

十六 損害保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの

これは、失ったものを填補しているだけであり、新しく得ているわけではないからです。

しかし、損害賠償であるかどうかは本当に損害があるかによって決まるのであって、当事者が決めた支払名目が「損害賠償金として」となっていればなんでも非課税となるわけではありません。

よって、訴訟の結果損害賠償として認められたならともかく、当事者間で合意した賠償金の支払については、課税されてしまい本当に損害があるかが改めて問題となるわけです。

この論点についてはマンション建設反対運動の承諾金事件が有名ですが、似た事案として、商品先物取引で業者に問題のある勧誘行為があったのか顧客との間で損が出たことについて紛争となり損害金を支払うことで合意したものの、それに課税がされてしまったという事件がおきました。

先物取引損害、和解金は非課税 大分地裁、国の処分取り消し(日本経済新聞2009年7月6日)

商品先物取引による損害をめぐり、業者から損害賠償金などとして和解金を受け取った大分県の男性が所得税を課されたのを不服として、国に課税処分取り消しを求めた訴訟の判決で、大分地裁(一志泰滋裁判長)は6日、原告側主張をほぼ認め、約460万円の課税処分を取り消した。

一志裁判長は判決理由で「和解金は先物取引による損害に基づいて取得したもので、非課税所得に該当する」とした。

(略)

判決によると、男性は先物取引業者の不法行為で約6000万円の損失を被ったとして提訴。その後、2001年に業者側が1900万円を支払うことで和解が成立した。別府税務署は05年、和解金のうち訴訟費用などを除く約1400万が雑所得に当たるとして所得税約530万円を課税した。〔共同〕(00:45)

別府税務署は和解金の大半について課税してしまったのですが、大分地裁はこれを否定してほとんどの課税を取消しました。

課税分が一部残っていますので、損害をめぐる事実認定の違いということになるかと思われます。

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2009年7月 8日 (水)

過失犯

福知山線事故がついに刑事事件になることになりました。

しかし、業務上過失致死という過失犯です。

刑法でも過失は事実関係が大事で特に難しい分野です。

はっきり言ってかなり無理があるように思えるのですが、どうなるのでしょうか。

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日本ラッド、前会長兼社長の公開買付に対して賛同の意見を表明

株主総会における役員選任で一波乱があった日本ラッドですが、この変動を受けて、留保していた公開買付に対する意見表明を3日にようやく行い、賛同の意見を表明しました。

当社株式に対する公開買い付けの発表に関する当社意見の表明について

前会長兼社長が突然の公開買付を表明して始まった一連の騒動は、ようやく終結する模様です。

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2009年7月 7日 (火)

今日も終電

この日も終電で帰宅したので、遅れて更新です。

最近、人に会う機会が多いです。あちこち行っているせいか落ち着いていない感じです。腰をすえて勉強したいことも多いのですが、あんまりない時間を細切れにしてやっています。

さて、日経夕刊のコラムの明日への話題に東大法学部の北岡教授が登板されています。

この前は、毎年、講義の最終回が近くなると、テストで高得点をとる方法の話をするという話題で、山をはれ、ただし10や20などたくさんはればあたるという人を食った話でした。

ただ、私もその昔、北岡先生の日本政治外交史を受講しましたけど、とんとそんな話を聞いていません。

まあ私は2000年に法学部に進学したので、9年前の話ですからね。それ以降にするようになったのかもしれません。

北岡先生の弟子筋に聞いたところによると、北岡先生の成績評価はかなり厳しめだそうで、いい評価を受ける方法があるならぜひ聞きたいところなのかもしれません。

一般的に東大法学部では、法律系よりも政治系のほうが成績評価は厳しいといわれていますので、多分事実なのでしょう。

私が卒業するときに法学部を代表して総長から直々に学位記を受け取ったのは、現在准教授のあの方ではなく、第3類の政治系の方でした。准教授の卒業時の成績から推し量ると、その方は全優だと思うのですが、政治系でその成績とは非常にすごいことですね。今何をしているのかな。

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2009年7月 6日 (月)

最高裁、相続人のうちの1人に相続させる遺言があり、相続債務もすべて承継した場合、遺留分侵害額の算定に当たっては法定相続分に応じた相続債務額を加算することは許されないと判示

これまた少し前の判例です。

相続人が複数いるときに遺言で1人に相続させてしまうと、他の相続人にとっては遺留分侵害がありますから、遺留分減殺請求権を行使することが出来ます。

しかし、相続財産だけではなく相続債務があるときには、相続人は遺言とかかわりなく相続債務の支払を請求される可能性があります。すると後でこれを唯一の相続人に求償することになりますが、これもまとめて遺留分減殺請求でやろうとした事案があり、最高裁判決がでました。

最高裁判所第三小法廷平成21年03月24日判決 平成19(受)1548 持分権移転登記手続請求事件

いくつかの論点が交錯している事件となっています。

  1. 相続させる旨の遺言は相続債務に関してはどのような意思であるのか
  2. 遺言によって示された相続債務に関する相続分の相続債権者に対する効力
  3. 上記2点を踏まえて、相続債務がある場合の遺留分の算定方法

1 相続させる旨の遺言は相続債務に関してはどのような意思であるのか

特段の事情がない限り、相続債務もすべて相続人に負わせる意思であると解するべきとしています。相続財産の中から支払うわけですから合理的な意思解釈だと思われます。

2 遺言によって示された相続債務に関する相続分の相続債権者に対する効力

1のように解すると、相続債務を負担するのは遺言で指定された相続人だけになりますが、これはあくまで相続人の間でしか効力がなく、相続債権者に対しては効力が及ばないとしました。

債権者が関与できない遺言で左右されてはたまりませんから相対効であるのも当然だと思われます。

もっとも相続債権者が積極的に遺言の内容を承認して履行を請求することは妨げられないとしています。これも当然のことで妥当でしょう。

3 上記2点を踏まえて、相続債務がある場合の遺留分の算定方法

すると、相続財産をもらえるわけではないのに、相続債権者からの請求を受けかねない相続人は財産的には困難なものがありますが、それでも最高裁は遺留分を計算するのに相続債務に法定相続分をかけたものを加えることはできないとしました。相続債権者から支払を求められても、遺言で指定された相続人に求償しうるにとどまるとしています。

判例は、これより前に、遺留分の額の計算方法について、当該遺留分権利者が負担すべき相続債務を加算することを認めています。(最判平成8年11月26日民集51巻10号2747頁

本件のような場合では遺留分権利者は、遺言による相続債務の負担割合の指定を債権者対抗できないために支払を求められるにすぎず、求償することができるために最終的に負担すべきとはいえず、加算することは許されないと判断したわけです。

単純に考えても、支払を求められるかも分からないのに、必ず遺留分算定の基礎にはできてしまうというのは変な話ですので、この判旨のいうとおりだと思われます。

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甘えを見直す

「甘えの構造」で有名な精神科医土居健郎氏がなくなりました。

私にとっては、甘えの構造を知ったのは大学受験のときで、恥ずかしい話ですがZ会の国語の論説文で言及されていたのを見て興味を持ったのが最初でした。

その後、大学に入ってから、色々と著作を読んでみて、現代の不可解な精神病理を理解するのに有用な概念であると感じ取って、いつも心の隅にとめておくようにしました。

凶行に及んだ犯罪者の言い分を聞いていると、他人に対する理不尽に甘えたいという衝動が見え隠れしたりするわけです。

病んでいる様に見える現代社会の説明がつくということで非常に感銘を受けたのですが、一方で甘え理論を使って自己分析をしてしまい、自分が甘えたいのに甘えられないということをつらつらと書いているような人にも出会いました。惰弱な自分をさらす精神的露出狂みたいな行為ですが、そうしていることにも甘えが現れているわけです。見事に説明なつくなあと思ってこれまた感心したのでした。

東大法学部の某教授はあまりに甘え理論に入れ込むあまり、法学部のゼミなのに土居健郎の論文の講読するゼミをやっていました。今もやっているかもしれません。法律とまるで関係ないと思うのですが、あまりに信奉するあまりか何度も繰り返してやっていました。

そのゼミで学生から甘え理論が批判されると体調を崩していましたが、自分の自我が崩壊するような気がしてしまうんですかね。これまた甘えであったわけでした。

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最高裁、譲渡禁止特約のある債権を譲渡した譲渡人は、譲受人に対して譲渡の無効を主張することは出来ないと判示

取り上げ損ねていた少し前の判例を扱います。

譲渡禁止特約のある債権を譲渡した譲渡人が後からその特約の存在を理由として譲渡は無効であると、譲受人に対して主張した事案で、最高裁は特段の事情がない限り無効を主張することは許されないと判示しました。

最高裁判所第二小法廷平成21年03月27日判決 平成19(受)1280 供託金還付請求権帰属確認請求本訴,同反訴事件

原審は譲渡人からの無効主張を認めていました。これは無効は絶対的であるという理解に立っていると思われます。

これに対して、最高裁は譲渡禁止特約は債務者の利益のためのものであり、譲渡人である債権者は自ら譲渡した以上無効主張する独自の利益はなく、無効主張は許されないとしました。

自分で譲渡しておきながら後から実は無効だと言い出すのはいかにも信義則に反しますので当然の判断でしょう。信義則ではなく独立の利益がないという言い方をしているところに注意がいりますが。

債務者が無効主張をする意思がある場合は特段の事情があるとしており、譲渡人による無効主張は一切認められないわけではないことも明らかにしています。これは錯誤無効の債権者代位による主張とパラレルな考え方と思われます。

本件においては債務者は債権者不確知を理由として供託しており、特段の事情はないとしています。

以上から、独自の利益がなく特段の事情もないために主張は認められないという結論になっています。

本件では譲渡された債権は建設請負の報酬債権なのですが、定形的な約款を用いており譲渡禁止特約がついている債権も多いのが現実です。世間的には譲渡が禁止されている債権がかなり多いわけですが、債務者の意向によっては特約のとおりの現実にはならないということになります。公共工事の報酬債権などを考えると、意義がそれなりにありそうな判断だと思います。

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2009年7月 5日 (日)

テストにそっくりだ

以下のような報道がありました。

アマゾンに140億円追徴 国税局、日本での書籍事業で(日本経済新聞2009年7月5日)

米インターネット小売業大手アマゾン・ドット・コムの関連会社が、日本での事業を巡り東京国税局から2005年12月期までの3年間で計140億円程度の追徴課税処分を受けていたことが5日、分かった。アマゾン側は処分を不服とし、現在、日米の税務当局間で協議中だ。

アマゾンの08年年次報告などによると、同社の関連会社は03~05年の所得に対し、日本の税務当局から加算税や延滞税を含めて計約1億1900万ドル(05年末時点で約140億円)を課税されたという。

関係者によると、課税されたのは「アマゾン・ドット・コム・インターナショナル・セールス」。同社は書籍などの日本での販売業務を「アマゾンジャパン」(東京・渋谷)に、物流業務を「アマゾンジャパン・ロジスティクス」(千葉県市川市)に委託。中枢機能は米側に集中し、顧客への販売代金を米側が受け取り、米国で納税している。(21:34)

これだと、記述が不足していて、東京国税局がどのような指摘をしたのか不明です。しかし第3段落の情報からすぐにピンと来たのは、これは昨年度の東大ロースクールの国際租税法の期末試験の問題にそっくりということです。

ということは、試験の解答から考えると独立企業間価格の問題でしょうかね。

それにしても、タイムリーすぎてびっくりです。増井教授と草野弁護士は大胆だなあと感心しました。

草野弁護士の「一号PEをもう一度」が頭の中でこだまする感じです。

追記

7月6日の日経朝刊の記事によると、恒久的施設の問題(日本国内にあるアマゾン本社の一部となっている設備をめぐる問題)のようです。よって上記の推測は外れていました。

もっともテストにはもちろん、恒久的施設に該当するかとアメリカ本社が課税されるかを問うという設問もありました。

 

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2009年7月 4日 (土)

入社後の競争

最近、色々な物事に対して、なってないんで自己嫌悪しています。

無理にでも色々な機会を設けて研鑽していかないと、もともとだめなのがもっとだめになりそうでやばいです。

さて、寧ろ鶏口となるも牛後となるなかれといいますが、就職するとき入った後の競争のことをどこまで考えるものでしょうか。

この間の飲み会で、内定が出ても安心してそれで終わりとせず、優秀なライバルたちの動向を気にかけていた方がいまして、狭い世界ですからさすがの深謀遠慮だと感心しました。やはり優秀な人は抜かりがないですね。

私は弁護士のような狭い世界で就職活動をしたわけではないのですが、やはり入ってからの競争がきついかは考えました。結果としてかなりぬるくなってしまったのですが、別の選択肢をとっていたら今大変な業績悪化に悩んでいたでしょうから、多分間違っていなかったのだろうと思います。

この大変な就職氷河期ですので入れるだけで安心ということになると思いますが、当然のことですが入ってからも大変です。少しでも先のことを考えて行動する姿勢は大事なのだろうと思います。

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2009年7月 3日 (金)

久しぶり

テレビでやっていたので、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序を見ました。劇場にも見に行かなかったし、DVDも買わなかったので、はじめてみました。

私は本放送を高校生のときにみていたので、かなり古い話のはずなのですが、特に古さは感じず、改めて内容のすごさに感心しました。でも最近の若者関連の事象を考えるとやや鼻につく感じもしてしまいました。これはむしろ残念なことです。

ただ、6話を2時間に詰め込んだせいか、ややメリハリが悪くなっている感じを受けました。本放送のときはホントに絶妙のところで、Aパートが終わったり、次回に続いたりしていたので、本当によくできていましたが、映画にしたら重要シーンが目白押し過ぎて、ずっと力が入り続けている感じでした。

ストーリーは基本的に同じですが、やや違いがありますね。ラミエルがあまりに機能強化されていたのにはさすがに驚きましたが。これ以外の点もたくさん変更がありますが、漫然と見ていても、どこが変わっているのかが自然と分かりました。この何度も見て自然に覚えてしまったのはいまだに生きていることが分かったのですが、何でこういうことが勉強とかで出来ないのかが非常に残念です。どうでもいいことに限って記憶力は発揮されるものですね。

今劇場公開中の破は大きくストーリーが変更されているそうで気になるところですが、あちこち巡回しているとすでに見た人がネタバレを書いてしまっているようで、最近は見て回るのに困難が生じています。果たしてネタバレをせずに見ることができるか、目下の大問題です。

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2009年7月 2日 (木)

割り切れない思い

この日は、色々あってその後、夜からは飲みに行ったため、終電で帰る羽目になり、更新が遅れました。ビールばっかり飲んでいたので、帰りの電車ではすっかり醒めてしまいました。

飲んで気分が悪くなるときはいろいろなものをちゃんぽんにして飲んでいるときだと改めて気づきました。今さらなんですがね。

さて、トヨタが経営再建途上で色々とコストカットをしないといけないのは分かるのですが、F1n開催をあんなに簡単にやめられてしまうと、ちょっと割り切れない思いがあります。

えらく引っ掻き回されましたからね。

トヨタからの話だったのか自治体からの話だったのかは忘れましたが、あの場所でのF1開催に協力すると本社が約束してしまったために、支社ではそれに従わざるを得ず、どう見ても混乱をきたすだけでむしろ減収になると分かっているのに、大々的にこれだけ増収が見込めますとか見積もる羽目になったものでした。

あれだけ見物客だけでなく周りにも混乱をもたらしたのにこんな簡単にやめられてしまうとあの騒ぎはなんだったのだという感じがしてきます。働いているとこんな理不尽なことは日常茶飯事なわけですが、経済合理性だけで決めることが出来て利害関係者に引きずられずにすむのは偉い立場にある企業だからこそです。やはり違うなと思う次第です。私の会社では抗議とかそういうのに過剰に反応するので、あんな決断はおよそできないでしょう。

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2009年7月 1日 (水)

定数減の理由は

東大ロースクールの同窓会の挨拶で井上研究科長が定数を60人削減する理由について言及されていました。

他のロースクールで一般的に行われている定数削減とは違うとして、きめ細かな教育が出来るようにするためのものであるとされていました。

後ろ向きのものではないということが仰りたいのだと思ったのですが、60人というと東大ロースクールではちょうど一クラスに相当しますので来年からは一クラス削減して教育負担を減らすのではないかと思ったのですが、そうではないのでしょうか。

教員と接する機会などそうはありませんから、抽象的に教員と学生の数の比率が変わるだけできめ細かになることはないでしょう。むしろクラスの人数を減らすとかではないと具体的には効果はないでしょう。しかしすると教育負担は変わらず、研究が機能不全になりつつあるのは解消されません。ジレンマですね。

他にも色々な新機軸を計画されているそうですので、東大ロースクールは逆風の中でも教育の充実を目指していくのは確かであるようです。もっともそこまでやる必要があるのか、そもそも効果があるのか等疑問をさしはさむ向きはかなりありそうです。

さて、私が個人的に引っかかったのは、研究者同士で教育内容を批判しあっても聞かないので、学生OBから教員にフィードバックしてほしいということを井上教授が仰っていた点です。

さすがに同僚の批判をきかないなんてことはないのではないかと思いました。

ボスである井上先生に言われたら相当おっかないと思うんですがね。

もっとも、井上教授と空中戦を繰り広げている山室判事のお言葉を思い出すと、理由がないわけでもないかもしれませんね。

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トライアイズ監査役、自らが行った仮処分申立ての弁護士報酬等の訴訟費用を監査費用として会社に請求する訴訟を提起

大証ヘラクレス上場のトライアイズの監査役が、3月に行った仮処分申立てに要した弁護士費用等の費用を監査費用であるとして会社に請求する訴訟を提起しました。監査役が監査費用の支払を求めて会社を訴えるというのは非常に珍しいのではないかと思います。

トライアイズによるリリース

監査役は会社とは委任の関係にありますから民法650条から当然、業務に必要な費用を会社に請求することが出来ます。それだけではなく、会社法388条に専用の規定が設けられています。

第388条(費用等の請求)

監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。

一 費用の前払の請求

二 支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求

三 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求

上記の条文より、この規定は意味するところは、監査役が請求にあたって必要性を立証しなくて良いというところに意味があります。費用のことを心配するあまりに監査役の権限行使を萎縮させないための仕組みであるわけです。

そして監査費用とは、監査に必要な一切の費用が含まれるとされています。

よって、請求できるかどうかは、どのような仮処分であったのかによって決まることになります。

監査役の義務は、監査ですが、それだけではなく、取締役の行為の差止も認められています。今回問題となっている仮処分もこれであるようです。

第385条(監査役による取締役の行為の差止め)

監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

2 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。

すると、当該仮処分が取締役の法令定款違反行為を差止ようとするものであったかが問題となるわけですが、この仮処分はなんと、会社が株主総会に当該監査役の解任を提案した議案の差止だったのです。

仮処分命令の申立てに関するお知らせ

この事案では385条にあたるとして何に該当するでしょうか。

仮に監査役に業務執行に問題がないのにそれを経営陣が煙たく思って解任しようとしたとかという場合なら、取締役の善管注意義務に反して385条で言うところの法令違反ということになるのでしょうか。

最近、監査役が頑張っている例がありますので上記のような想像をしてみましたが、事実関係の詳細が不明ですので逆である場合もありますので即断は出来ません。

とにかく監査役の解任の適否によって取締役の行為が違法であるかが左右されるように思われるのですが、すると解任は事由を問わないでできるので、結果として解任されたか否かで決まるのでしょうか。

本件では会社は結果として、議案を取り下げていますので、仮処分は直接には役に立ちませんでした。するとどう考えていいのか非常に難しいところです。

ちなみに、当該監査役は役員選任決議の取り消しの訴訟も提起しており、同社は経営をめぐって混乱していることが明らかになっています。

監査役が役員ではなく会社を訴えるなど非常に珍しいのですが、それゆえに難しい点をたくさん含んでいるように思えます。ちなみに仮処分では鳥飼重和弁護士に依頼をしており、中々な費用になっていることが上記リリースに載っています。

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